バース3 ページ41
(side Marco)
マ｢大体、カクテルなんて洒落た酒を親父が喜ぶとは思えねえ｣
親父が飲むのはもっぱら醸造酒だ。しかも6ｍを優に超えるあの巨体がちまちましたグラスを持つ姿なんて情けなくて目も当てられない。似合わないのは俺たちも同じで、毎晩バカ騒ぎしながら安いラム酒を寝酒にする俺たちが1杯の酒をゆったり飲むなんて鼻で笑っちまう。
サ｢だから親父が飲む酒を調達する係につかせるんだよ、なあ、あんた目利きはできるか？｣
なんたってこいつはこんなに必死になって食い下がるんだ。バーをやりたいだなんて口にした事も無かったくせに。
話を振られた彼女が少し恥ずかしそうに首を縦に振る。数分前に出された酒をひと嗅ぎしただけで銘柄や産地まで言い当てたんだ。それなりに鼻が効くのだろう。
『実家が酒屋で、父にしこまれました』
サ｢よしきた！ほら、もってこいの人材じゃねえか！｣
親父に頼んでくれよ、と諦め悪く縋り付くサッチ。こいつがこれほどしぶといのも滅多にない。
マ｢俺ァ反対だよい。大体、ナースでもねえ女をこの船に置いておくなんて、秩序も何もあったもんじゃねえ｣
この船に女の戦闘員は存在しない。女が戦うのを親父が酷く嫌うからだ。親父の処置のためにナースが数十名乗船しているが、彼女たちと俺達の生活はある程度区別されている。滞在する部屋も彼女たちは船の奥、1番戦闘から遠い場所へと配置されているのだ。
しかし目の前の彼女はバーテンダーとしてこの船に乗ろうというのだ。ならばその腰はどこに下ろすか。戦闘なんて見るからにできないだろうし、剣を握らせるつもりもない。
サ｢秩序ったって…こいつを連れてきたのは他でもねえお前じゃねえか。世話だって何かとやいてよぉ、な？｣
馴れ馴れしく彼女の肩に手を置くサッチ。ピクリと揺れる彼女だったが、他の男には見せないどこか安心したような表情が癇に障る。自然と眉間に皺が寄った。
サ｢…ん？はは、そりゃあ仕方ねえぜ兄弟、俺ァこの子の胃袋をガッチリ掴んじまったからよ｣
驚く程に察しのいいこのサッチという男。これまでの長い付き合いで何度も今みてぇにからかわれては、何度この目障りなとリーゼントをむしってやろうと思ったことか。
今にも喧嘩を始めそうな俺達の空気を目の前に彼女が慌てたように俺達を交互に見ては口をぱくぱくとさせる。
マ｢俺ァもうこの件に関しては知らねえ、そいつについてはお前が親父を説得しろよい、サッチ｣
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がまお(プロフ) - ちルチルさん» ありがとうございます！！過去編もうちょっとだけ続くと思われます！これからもどうぞお付き合い頂ければ嬉しいです！！ (2019年5月13日 23時) (
レス) id: e776fbd167 (このIDを非表示/違反報告)
ちルチル - ついに過去編来ましたか！過去の夢主ちゃん可愛いですね〜(´ω`)これからも応援してますからどうぞ更新頑張って下さい！ (2019年5月13日 15時) (レス) id: d78596acdf (このIDを非表示/違反報告)
がまお(プロフ) - 焔さん» わあ！ありがとうございます！とっても嬉しいお言葉…！感無量です！ファンだなんておこがましすぎますが頑張らせていただきます！これからもどうぞお付き合いください！ (2019年4月19日 22時) (レス) id: e776fbd167 (このIDを非表示/違反報告)
焔(プロフ) - がまお様 Twitterの通知からこちらに来させて頂きました。とてもお話が面白く読みやすく没頭してしまい一気に読ませていただきました。ファンになりました、応援さてください！続きも楽しみにしております。 (2019年4月19日 2時) (レス) id: 05617d7299 (このIDを非表示/違反報告)
がまお(プロフ) - シャノワールさん» ありきたり展開で申し訳無いです…（;∀;）少しでも面白いと思って頂けるように頑張ります！！これからもどうぞ暖かい目で見ていただければと思います！ (2019年3月29日 1時) (レス) id: e776fbd167 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：がまお | 作成日時：2019年3月15日 15時
