ハッキング42 ページ43
降谷side
その後、色々な事を聞かされたが、とても信じられないようなことばかりだった。
『・・・信じられないでしょう?私も、まだちょっと信じてない。・・・兄さんや姉さんが、死んだなんて。』
降「・・・すまなかった。」
『貴方が、謝ることじゃないの。・・・私、退院したら貴方といきたいところがある。』
降「・・・ああ、俺もだ。」
こっそりとポケットに手を忍ばせ、タイミングを伺う。
降「・・・A。俺からも一つ、話がある。」
『何?事件のこと?』
降「流石に怪我人に話さないさ。」
彼女のそんならしい発言に苦笑いしながら、かなりの緊張感が体を包む。
降「俺は、君が消えたとき、とても怖かった。君が居なくなると思ったら、恐怖で足がすくんだ。・・・だから、これは俺のエゴだ。もちろん断ってくれていい。正直に答えてくれればいい。受け取らなくてもいいんだ。」
一度言葉を切り、息を吸いなおす。きっと今の俺の顔は赤いんだろう。Aの顔も、少し赤い。
降「A。俺と婚約して、同棲してくれないか。」
その言葉と共に、ポケットに忍ばせていた、小さく文字が刻まれた婚約指輪を取り出す。
『・・・フフッ。結婚の話かと思っちゃった。』
顔を赤くし、僅かに涙を浮かべながら、彼女は笑った。
『降谷零さん。これからも、よろしくね。』
それが肯定の言葉であることは、容易に分かった。
降「幸せに、できないかもしれない。君を、傷付けてしまうかもしれない。それでも・・・、君に、そばにいて欲しい。君じゃなきゃダメなんだ。」
知らず知らずのうちに、目に涙が溜まっていく。昔は、こんなふうに大事な人を作るなんて思わなかった。でも、
『私だって、貴方じゃなきゃだめなの。』
静かに涙を流しながら微笑む君に惚れないなんて、出来るはずがないんだ。
白くてなめらかな彼女の右手を取り、親指に(lei)と刻まれたシルバーリングを通す。俺の親指にはAのローマ字が刻まれた指輪をはめている。
降「これからもよろしく、A。」
『ええ。こちらこそよろしく、零さん。』
初めて呼ばれた下の名前に驚きながらも、二人顔を見合わせ、幸せそうに笑った。
暖かい風に包まれながら初めて交わしたキスは、とても甘くて、少し涙の味がした。
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右手親指の意味
困難を乗り越える
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てふてふ(プロフ) - わー、すみません。ありがとうございます! (2019年7月18日 20時) (レス) id: dcfdec1ad5 (このIDを非表示/違反報告)
葉月 - 超記憶能力ではなく、瞬間記憶能力ですよー (2019年7月18日 16時) (レス) id: 805b324c62 (このIDを非表示/違反報告)
ぷぅ(プロフ) - いえいえ、訂正ありがとうございます(*^-^*)この作品大好きなのでこれからも楽しみにしてますね(*^_^*) (2019年5月29日 0時) (レス) id: b4f5c0261e (このIDを非表示/違反報告)
てふてふ(プロフ) - まじですか!すいません、そのとこだけ書き直させて頂きます!すいません! (2019年5月27日 19時) (レス) id: dcfdec1ad5 (このIDを非表示/違反報告)
ぷぅ(プロフ) - 蘭達が通ってるのは帝丹高校で間違いないんですけど、蘭達は17歳なので3年生ではなく2年生ですよ(´∀`) (2019年5月27日 13時) (レス) id: b4f5c0261e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:てふてふ | 作成日時:2019年3月28日 21時