ハッキング21 ページ22
降谷side
降「彼女と初めて出会ったとき、俺は20歳程だった。Aはまだ、10にも満たなかった。」
コ「そんな幼い時から出会ってたんだね。」
降「ああ。そして、その時から既にハッカーとして活動していた。家業を継ぐためにね。」
コ「!そんな小さな頃から!?」
降「それがいけなかったんだろう、彼女はある日、ある能力に目覚めた。それが先程話した、瞬間記憶能力さ。」
コ「それってどんな能力なの?」
降「瞬間記憶能力とは、一目見たものでもすぐ脳にインプットされ、一生忘れることはないという能力さ。思い出そうとすれば、古い記憶でも映像のように頭に流れるんだ。」
コ「そんなの・・・!!」
降「ああ、とても辛かっただろうね。そのせいか、俺が会ったときには、今では綺麗な紫の瞳も暗く濁って、常に無表情だった。」
コ「・・・A姉ちゃんは、そんな苦しみといつも戦ってたんだね。」
降「きっと、想像を絶する苦しさだったろう。そして、限界を迎えた。」
コ「限界・・・?」
降「記憶が暴走し、たまたま近くに居た母親を混乱した頭で・・・殺してしまったんだ。」
コ「なっ・・・!!」
降「それを咎められたのなら楽だっただろう、でも母親はAを許した。・・・貴女は、自分の愛する我が子だからと。父親もそれを咎めなかった。そればかりか、いつかこうなると予想せずに彼女に無理をさせた自分の非を詫びた。それが彼女にとっては辛かった。」
コ「・・・複雑だね。我が子を愛し、罪を許す両親と、大好きな母親を殺めてしまい、罪を背負い続けていたい子。そればっかりは部外者が口を出せないしね。」
降「ああ、本当に・・・。あの時のAは見ていられなかった。」
コ「そんなに泣いてたの?」
降「いや・・・、一回も、泣かなかったんだ。」
コ「・・・!それほど辛くて、受け入れられなかったんだね。」
降「ああ。でも、その時の俺は馬鹿でな。部屋に閉じこもってたAの前に無理矢理行き、頬をひっぱたいたんだ。」
コ「ええ!?親を亡くしたばかりの子供を!?」
降「ああ、後で上司にたんまりと怒られた。でもその時、ようやく彼女は泣いたんだ。・・・お母さんに、叩かれた時みたいってな。」
コ「・・・どこでも面影を探してしまうのは、やっぱり子供だね。」
『降谷さんのおかげで、やっと心から笑えるようになりましから。』
降・コ「・・・!?」
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てふてふ(プロフ) - わー、すみません。ありがとうございます! (2019年7月18日 20時) (レス) id: dcfdec1ad5 (このIDを非表示/違反報告)
葉月 - 超記憶能力ではなく、瞬間記憶能力ですよー (2019年7月18日 16時) (レス) id: 805b324c62 (このIDを非表示/違反報告)
ぷぅ(プロフ) - いえいえ、訂正ありがとうございます(*^-^*)この作品大好きなのでこれからも楽しみにしてますね(*^_^*) (2019年5月29日 0時) (レス) id: b4f5c0261e (このIDを非表示/違反報告)
てふてふ(プロフ) - まじですか!すいません、そのとこだけ書き直させて頂きます!すいません! (2019年5月27日 19時) (レス) id: dcfdec1ad5 (このIDを非表示/違反報告)
ぷぅ(プロフ) - 蘭達が通ってるのは帝丹高校で間違いないんですけど、蘭達は17歳なので3年生ではなく2年生ですよ(´∀`) (2019年5月27日 13時) (レス) id: b4f5c0261e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:てふてふ | 作成日時:2019年3月28日 21時