雪男+紅一点でシェアハウスしてます。ぱーと1 (ページ21)

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主人公 A型インフルエンザ* ページ21

※嘔吐表現があります。苦手な方はUターンをお願いします。

3.佐久間さいど(続き)

ご飯も食べたし薬も飲めたしそろそろ治るかなって思ってたんだけど、はるかに入ったウィルスはそう簡単に彼女を楽にしてくれないらしい。

有栖「うぅー、きもちわるい…」

5分くらい前に吐き気で目が覚めてずっとこの状況。これは吐かせた方がよさそうかな。

深澤「これ飲んでみようか。気持ち悪いの全部出しちゃおうね」

ふっかが水が入ったペットボトルにストローをさして渡すと素直に飲んでくれて、そのまま大きく嘔吐いて吐き出した。一気に戻したことで吐き気は落ち着いたらしい。

有栖「はぁ、もーだいじょうぶ…。しんどい…」

佐久間「しんどいね。飲まなくてもいいから口だけゆすいじゃおうか。口の中まだ気持ち悪いでしょ」

口をゆすぐと、パタリとソファーに横になった。寒気はもうしないみたいだから体を冷やすと、少しだけつらそうな表情が和らいだ気がした。早く熱下がるといいね。

その願いが通じたのか、次に目が覚めたときには微熱まで下がっていた。さっきまで39℃近くまで出ていたわけだし、体感的にはすごく楽になっているはず。

有栖「佐久間おはよう」

佐久間「おはよ。…まだちょっと熱あるかな。はい、体温計」

しっかり座って体温計を挟んでいるはるか。昨日まではぐったりして座ることも出来なかったからその姿にちょっと安心する。

佐久間鳴ったよーって見せてくれたそれには37.4℃の文字。あれがしたいこれがしたいと言うはるかに治りかけが一番大事だから！ってなんとか制止して、ようやく大人しく寝てくれた。きっと体が自由に動くのが嬉しいんだろうな。

気持ち良さそうに眠るはるかを見ているとなんだか俺も眠たくなってきて、気づいたら一緒に寝ていたらしい。ひかるに起こされて目が覚めた。

佐久間「ごめ、俺も寝てた…」

岩本「ううん。はるかどんな感じ？」

佐久間「昨日までだいぶしんどそうにしてたんだけどやっと微熱まで下がったよ」

もう一回測ってみようってなって熱を測ると36.8℃。一応平熱の範囲内だけど、平熱の低いAからしたら微熱寄りの平熱って感じかな。もうちょっと頑張れ…。

数時間後、はるかが目を覚ました。まだぼーっとしてるけど受け答えはしっかりしてるし熱下がったかな。しばらくして鳴った体温計には36.3℃の文字。結構苦しめられてたけど治ってよかった！

fin.