53.生き別れの。 ページ3
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生き別れの、きょうだい？
「大我、きょうだいいるの？」
「…うん。姉なんだけどね。
異母姉弟で、同じ年なんだけど俺より少し早く生まれてるから姉。
けど顔も知らないし、何処にいるのかもわからない。」
それを聞いて、ハッとする。
大我のお爺ちゃん、理事長だって言ってたよね？
「…私のお爺ちゃん、高校の理事長なんだよね……。」
「え！きょものお爺ちゃんもじゃね？
ほら！やっぱ2人姉弟じゃね！？」
慎太郎さんが大きな声で言うから、周りの人がチラチラと私達を見る。
「え…Aが…お姉さん…？」
「…わ、私帰るっ」
電車が丁度停車して、扉が閉まる直前で立ち上がって大我の呼び止める声も聞かずに走って電車を降りた。
降りると同時に扉が閉まった。
何処の駅かも分からなくて、ホームのベンチに項垂れるように座る。
好きな人が、正真正銘血縁関係のある弟だったら。
私達がしてきたことは、色々とアウトだよ？
私、どうしたらいいの？
スマホが鳴って、画面を見ると大我からのメッセージが表示される。
"今戻るからそこで待ってて"
それに私は、家に帰ると返信した。
数分後、反対側からやってきた電車に乗り込んだ。
家に着いて直ぐに階段を駆け上がって部屋に引きこもった。
震える手でスマホを取り出して、お母さんに電話をかけてみたけど留守電に繋がった。
理事長をしてるお爺ちゃんには会ったことないし、名前も知らない。
大我と初めて会った時、何となく自分と似ているような雰囲気を感じたのを思い出す。
そしてそれは今日慎太郎さんにも言われた。
でも、私に弟がいるなんて聞いたこともない。
両親と話す機会が少なすぎるだけ……？
大我が言っていたことを思い出してみる。
『姉なんだけどね。
異母姉弟で、同じ年なんだけど俺より少し早く生まれてるから姉。』
同じ年って言ってた。
私と大我は、学年は違うけど同い年。
色々と辻褄が合ってしまって、震えが止まらない。
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和ッフル(プロフ) - yamayama0509021さん» 嬉しいです！ありがとうございます！！ (2021年2月5日 10時) (
レス) id: 287052cd16 (このIDを非表示/違反報告)
yamayama0509021(プロフ) - 一瞬で読み終えてしまいました！！！面白かったです！！！これからも楽しみにしてます！！ (2021年2月4日 23時) (レス) id: f5163d79d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：和ッフル
| 作成日時：2020年10月17日 21時
