65.離れてる間も。 ページ15
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額から汗が落ちた時、後ろから大きな手が伸びた。
北斗の手が大我の手首を握った。
「上げるぞ、せーの！」
北斗の掛け声に合わせて大我の手を力強く引っ張り上げた。
引き上げた勢いで倒れ込んでくる大我を抱きとめる。
「っ…う……っ」
「大我…。」
下を向いて涙を溢す大我の背中をさすってあげる。
ふと北斗と目が合うと、何も言わず切なそうに微笑んで屋上を去って行った。
私はハッとする。
もしかすると、北斗はベッドの上に置きっぱなしにしてしまったあの用紙を見たのかもしれない。
「ねぇ、A…」
「ん…？」
「俺、Aがいないと生きていけない……
もうこれ以上、大切な人を失いたくない…！」
「…大我。」
しがみ付く大我の手をそっと離して、彼の目を真っ直ぐに見る。
「私、北斗と話してくる。」
「…戻ってくるよね…？」
涙を浮かべながら不安そうに言う彼の姿は、まるで小さな子どものように見えた。
「大丈夫。ちゃんと戻るよ。
私、北斗と付き合ってる間も大我のこと、忘れた日はなかったから…。」
北斗に対して罪悪感を感じながらそう言うと、ギュッと抱きしめられる。
「俺もなかった。
この1年、ずっとお前のこと考えてた。」
大我も私と同じように……。
離れている間もお互い想い合っていたんだ。
「明日の朝、ここで会おう。」
「分かった。俺待ってるから。」
「うん、待ってて。」
私達は目を合わせて約束した。
それから大我は家まで送ってくれた。
家の前で別れて、大我の背中が見えなくなるまで見送る。
そして北斗と話をする為に意を決して、北斗の部屋に向かった。
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和ッフル(プロフ) - yamayama0509021さん» 嬉しいです！ありがとうございます！！ (2021年2月5日 10時) (
レス) id: 287052cd16 (このIDを非表示/違反報告)
yamayama0509021(プロフ) - 一瞬で読み終えてしまいました！！！面白かったです！！！これからも楽しみにしてます！！ (2021年2月4日 23時) (レス) id: f5163d79d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：和ッフル
| 作成日時：2020年10月17日 21時
