瞳 ページ9
和也「潤くん、えらくあっさりしてんすね」
二宮さんは私の部屋でゲームをしながら言う。
『松本さんはいつも落ち着いてる人ですよ』
和也「もっと取り乱すと思ったのになー」
『無駄ですよ。だいたいあんな見せつけるようにしなくても…』
和也「だってやってみたかったんだもん」
『え？』
和也「Aと手を繋いでみたかったから」
『…でも、私…』
和也「わかってる。Aが嫌なことは嫌って言ってください」
『…はい』
二宮さんはいつも冷静な表情で一体何を考えているのだろう。
和也「Aもやってみる？」
彼はゲーム機を差し出す。
『え』
和也「なんかずっと見てたから。おもしろいですよ。これ(笑)」
でも、少年のような表情を見せるときもある。
読めない人だ。
・
・
・
・
夜。
私は脱衣所のドアを開けた。
そこには、お風呂上がりの松本さんがいた。
上半身裸で、タオルで髪を拭いている。
潤「…あ」
目が合い、私はドアを閉めようとする。
『…失礼しました』
潤「ちょっと待って」
彼は私の腕を掴み、脱衣所の中に引き入れる。
『なん、でしょうか…』
潤「本当にニノと付き合ってんの？」
『…そうですよ』
潤「Aちゃんはニノのこと好きなの？」
『どうしてそんなこと聞くんですか…？』
俯きながら言うと、グッと私の二の腕を掴まれる。
私はハッとして彼の顔を見た。
潤「俺の目を見て」
濡れた髪の隙間からのぞく瞳に吸い込まれそうになる。
潤「俺、何かした？」
『何も…』
潤「じゃあどうして俺を避けるの？」
まただ、この感じ…
胸がぎゅっと苦しくなる。
『…っ離して、ください』
潤「…」
彼はスッと離れる。
『あなたといると…っ私…おかしくなってしまいそうで…っ』
私は彼を見上げる。
『だから…っ私はあなたのそばにいられない…っ』
潤「Aちゃん…」
涙が零れそうになって、私は脱衣所から出ていった。
これでいい。
何も間違ってない。
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なおみ(プロフ) - めちゃくちゃ楽しかったです。癒されました。 (2019年11月13日 10時) (
レス) id: 32ced74999 (このIDを非表示/違反報告)
さとこ(プロフ) - めっちゃ面白くて更新するのずっとたのしみに頑張っていました！いいお話でした！ありがとうございました！(^^) また他の作品も作る予定がありましたら是非読ませてください！！ (2019年8月6日 1時) (レス) id: 519d2e0163 (このIDを非表示/違反報告)
ayane(プロフ) - ユメさん» はじめまして！ありがとうございます！(笑)よろしければ新作の方も読んでいただけたら嬉しいです！ (2019年7月30日 10時) (レス) id: 39d061f7d7 (このIDを非表示/違反報告)
ユメ(プロフ) - はじめまして。頭から全部読ませていただきました。正担も副担も違いますが、つい読んでしまいました。ニノ君のことを思うと辛いですがハッピーエンドになってよかったです（涙）ホントにお疲れ様でした！！ (2019年7月29日 17時) (レス) id: 798b127b08 (このIDを非表示/違反報告)
ayane(プロフ) - 瑠那さん» 私も自分で書いてて思いました…抱きしめてあげたいですよね(泣) (2019年7月25日 8時) (レス) id: 39d061f7d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ayane
| 作成日時：2019年7月18日 8時
