43.Hero ページ11
「おっと。」
間一髪、ノニさんはケビンが殴りかかろうとした右手を軽やかにかわし逆にその胸ぐらを掴む。
「悪いね。
基本的に疑い深い性格なの、ワタシ。
だからアンタがこうすることくらい読んでましたから。」
グイッと引き寄せて至近距離で言ってるその顔はその言葉遣いとは裏腹に目は笑っていなくて口元だけ笑ってる…とんでもなく怖い顔。
ケビンの攻撃をかわした時に被っていたキャップが落ちたからモロに見えてる。
「っく…！」
「ほら、帰りな。
このことは水洗トイレにうんこと一緒に流してあげるから。
2度とAちゃんには近づかないでよね。」
ぱっと掴んでいた胸ぐらを離すと襟元を直しながら後ずさりするケビン。
「お前…どこかで…？」
「きゃー、やだぁ♡
どこかで会ったことあるって？
今時、日本ではそんなナンパの仕方はしません。
さあ、帰れ帰れ！とっとと帰りやがれ！」
しっしっと追い払う。
ケビンは一瞬だけ私の顔を見た。
思わず目をそらす。
それでようやく諦めたように背中を向けた。
「ケビン…」
終わった…
ちゃんと終わらせることができた。
これで本当にさようなら。
遠ざかっていくその背中を見えなくなるまで見送った。
「さ、これで本当に終わり。
帰るよ。」
「ノニさん…ありがとう。」
「ワタシのペットだもんね。
ちゃんと守んなきゃ。」
「その設定まだ継続中なんだ。」
「今夜は翔ちゃんいないし。
ベッドの中でニャンコロするチャンスだぞ！」
「な！な！何を言い出すの！？
やだっ、私ペットなんかじゃないからっ！」
慌てる私の手首をグッと掴む。
そしてジッ…と私を見つめる瞳がヘーゼルブラウンなのを知る。
顔が近いっ！
「…。」
「……っ！？」
何、この至近距離での沈黙！？
ヤダヤダ！！
え？本当にっ！？
思わず目を閉じる。
「ぶっ！」
へ？
ぶっ？
「ふははは！
ほんっとAは揶揄いがいあるよね。
まつ毛よ。まつ毛が抜けてる。
さ、帰りましょうメイドのAちゃん。」
からかったなー！！
手の甲で口元を抑えて勢いよく笑うノニさん。
ホント…この人は目でよく物を言うな。
さっきとは違う優しいその目元にホッとさせられる不思議。
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やっち(プロフ) - ええっ終わりですか？残念です (2022年3月21日 20時) (
レス) @page18 id: aabe067d77 (このIDを非表示/違反報告)
大翔 凛(プロフ) - 私も、ミイチゴさんの作品ニヤニヤしながら楽しませて頂いています！！お子さんも大きくなられてお忙しいところだとは思いますが、もし、また新作を作って下さったら、光の速さで拝見しに行かせて頂きますね！ミイチゴの小説の世界観がとても好きです！ (2020年11月14日 23時) (レス) id: fc915f7be8 (このIDを非表示/違反報告)
大翔 凛(プロフ) - はじめまして！失礼します！ (2020年11月14日 23時) (レス) id: fc915f7be8 (このIDを非表示/違反報告)
なみ(プロフ) - お久しぶりです!伏線回収ありがとうございます!あの件､彼は人の旦那という小説のネタになりそうな肩書を手に入れただけ!と考えて乗り越えたので最後の一文とても嬉しかったです笑楽しみにしてます!寒い日が続きますがミイチゴさんも息子さんも体調崩されませんように｡ (2019年12月25日 2時) (レス) id: 12423921ab (このIDを非表示/違反報告)
あいか(プロフ) - 御出産おめでとうございます！ミイチゴさん見ないと思ったら！たしかにリアルは今色々辛いですよね。でも不倫モノはちょっと、いやだいぶ見たいかも(^^)結婚をきにラブシーン多めな恋愛ものとかドシドシ出て欲しいですねー！！ (2019年12月2日 23時) (レス) id: cdf38c3a4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミイチゴ
| 作成日時：2018年3月31日 8時
