62.大っ嫌い ページ27
フローリングに叩きつけられた私の足元で
社長がグフグフ笑ってる。
「くっふふ！
お前って面白いよねー？
俺ね、すっごく気に入っちゃったの。
お前のこと。」
「大丈夫！気に入らなくていい！
お気に入り登録は解除して。
だから社員を家に帰らせて。」
「ふはっ！
この状況でよくそんなコト言えるなー。
分かってる？
今。
お前は俺の手中にあるの。
俺の意思ひとつでお前はどぉーにでも出来るのよ？」
むっ！
なにそれ？
ムカつくー！
そうかも知れないけど
私の心まで自由にされてたまるもんですか！
「はん！言ってれば？
干物女だって人間！
社長の思い通りになんて、ならない！」
言ったった。
言ったったった。
手、ブルブル震えちゃってるけど。
お母さん、私…
言ったったよー！
「くふふ…そういうとこ、面白い。
けどな
これは社長命令だ。
便利な言葉だねー、社長命令ってのは。」
グイッとロープを引っ張ると
私の身体はツルツルなフローリングの上を滑るように
社長の元へ手繰り寄せられる。
痛い！痛い痛い！
ちゅるる焼けする！
そして簡単に捕まってしまって。
「うわぁぁぁん！やーだー！！」
「おら！ちょっとは大人しろや。」
羽交い締めで拘束される。
ケーサツ24時バリな容疑者確保の瞬間の如く。
ねぇ私、何か悪いことした！？
あ、ビンタしたわ。
あ"ーーーーーーッ！！！
あの時の私め！
泣ける！
なにこれ、悔しくて泣ける！！
会食中
少しでも素敵な社長だって思ったのは間違いだった！
このファッキン社長め！！
気づけばボロボロと目から悔し涙が出てて
それに気づいた社長は腕の力を緩めた。
「…なによ？泣くほど嫌？」
「嫌です。」
「俺のこと嫌い？」
「嫌い。大っ嫌い…！」
「…櫻田くんは？」
「好きか嫌いだったら好き。
嫌いなのは社長だけ。」
「…んだ、それ…？」
干物女は好きか嫌いしかないの。
だったら社長は確実に嫌い。
クビとか
もう、そんなのどうでもいい。
とにかく関わりたくないよ。
こんな
権力でオンナを押さえつけるような人なんて。
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作者名：ミイチゴ
| 作成日時：2016年3月24日 22時
