干物女、恋愛するってよ。2 (ページ15)

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50.予想外の先方ページ15

これ以上見つめられると
本当に吸い込まれちゃいそうだったから
ギューッて目を瞑った。

吸い込まれてたまるか。

そんな姿を見てクスクス笑いながら
私の髪の毛をすぅーと梳かす社長。

あ、これ、女の扱いに慣れてる感じ。

で、その優しい顔。
どこに隠してたのよ。

普通の女の子だったら
きっとイチコロなんだろうな。

こんな悪い男にハマったら最後。
骨の髄まで吸い尽くされる。

怖い怖い。

これが終わったら
さっさと恋人契約を解除してもらって
この人には近寄らないようにしなきゃ。

「悪い男。」

「よく言われる。」

「離れて、悪い男。」

「お前には悪いことしてないでしょ？」

「はーなーれーてーよー！」

「いーやーだーね！！」

くっつけられたおデコを必死になって離そうとするけど
それに抵抗する社長の力は馬鹿力で
むしろ徐々に唇が近づいてくる。

うっぷす！
またキスされる！？

その距離3センチ…、

2センチ…、

1セン…チ………ッ！

社長の唇の先端が触れた？

って、瞬間に

スーッと襖が開けられ
反射的に顔を離し2人してそちらを見ると

これまたビックリする光景が目の中に入ってきた。

「お待たせして申し訳ありません。
私、パーシーズジャパンの櫻井と申し…ま…
えええええええ！？」

襖を開けた張本人は
私たち(・・)の姿を見てなのか
私の姿を見てなのか

元々大きなその目を
もーっと大きく見開いて凄い驚いてる。

「しょ、翔くん！？」

後ろに
いかにもチョコレートが好きそうなメタボなアメリカ人夫婦を引き連れて来たのは

干物女のベランダ飲み仲間。
お隣のなで肩イケメンだった。