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長い入院生活を後少しで終えようとしている。
その前に一度だけ。
一度でいいから。
具合が悪くなったらすぐ連絡するから
懇願して許可をもらった１日外出。
自由なその日を私はたろちゃんと過ごす。
なんなら
たろちゃんと2人で過ごしたくて
１日外出を勝ち取った。
たろちゃんにもごめんって
お願いしたら"全然！一緒いこ！"って
仕事あったよな…。
最初で最後の外デートになるかもって
めいいっぱいおしゃれして、
この日のために髪も綺麗に結べるように
体調が良い日はたくさん練習した。
送り出すママの顔は不安そう。
もし仮に何があっても後悔ないよ私。
自分でした選択だから。
はじめてたろちゃんの車に乗る。
助手席は私の席。って言えたら良いのに…
寒くない？大丈夫？って
私の膝に膝掛けをかけてくれて、
暖房つける？って言い出すから
今そんな季節じゃないよ？って
私が副作用でよく寒いとか腰痛いとか
そんなことばかり言ってたから
クッションとかも用意してくれてて
どんだけ気を使わせてしまっているんだって
申し訳ない気持ちになる。
冗談を言っても、心配しすぎなたろちゃんには
冗談も通用しないみたいで、
いつもくだらないこと言ってるたろちゃんが好きなのに
全然そんな感じじゃない。
でも、たろちゃんの運転姿拝めたから
結構満足してる自分もいた。
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作者名：唯音
| 作成日時：2023年2月15日 20時
