75 ページ34
・
Aの手紙を握りしめながら
ただ手術が終わるのを待つ。
予定ではまだ後1時間はある。
頑張れってただ祈るしかできない。
病院のラウンジでただ彼女の無事を…
・
・
・
そろそろ手術が終わってもいい時間
なのに一向に誰もこない。
大丈夫って思ってるのに
心のどこかでもしものことを考えてしまう。
予定時間を、30分過ぎた。
A母「慎太郎家に戻る？いつになるかわからないよ」
「いい。ママこそ大丈夫？」
A母「ありがとう」
それから少し時間が過ぎて
主治医の先生がやってきた。
医「お待たせしました。無事に終わりましたよ。」
A母「ありがとうございます」
あの時のニコッと笑った医者の顔で
すごくホッとした。
病室に戻るとAも戻ってきてて
先にママとAが病室で2人きり。
俺は廊下で待っていた。
しばらくして先生が病室に入っていった。
ママに呼ばれて病室に入る。
Aママ「先生と話ししてくるから」
「わかった。」
病室はAと2人きり
病室は無機質な機械音だけがなっていて
今まで嫌いだった機械音がいまはちょっと好き。
みんなAのために頑張ってくれてる。
まだ麻酔が効いていて目を覚さない彼女
そっと彼女の手を握れば
思った以上に温かくて、生きてるんだって
涙が出そうになる。
早く目を覚ませ…
「A」
ボソッとベッドに横たわりながらつぶやいた。
漫画みたいに目が覚めるわけないけど
ただ呼びたくて。
Aがここで生きてることを確認したくて
「A」
って君の名を何度も呼んだ。
「A」
『…た、、、、ろ……』
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 797人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：唯音
| 作成日時：2023年2月15日 20時
