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なんだこれ
みちゃった？って
こんなのみたら開くに決まってんじゃん。
それすらも見破られてるし
次に進んではいけない。
そしたら、そうなってしまいそう。
そんなことが頭をよぎるけど
でもそんなわけない。よね。
A、俺ここにいるから
頑張れ頑張ってくれ。
今日だけは。
読みたい。
ここからはそうなってしまった時
伝えたかったこと。
呼吸を整えて、一枚手紙をめくった。
ざっとあと、7枚くらいありそうだ。
長々と書かれたその手紙には
水滴がこぼれて文字が滲んでしまっていた。
2枚目の半分を過ぎたあたりから。
彼女はどんな気持ちでこの手紙を書いたのか
考えても何もわからない。
手紙と一緒に思い出す昔の俺たちは
怒っていて、泣いていて、笑っていて
どんな時もなんだかんだで幸せだった。
俺はまだこんな思い出話をするつもりないのに…
もっと歳をとってから
2人でお爺ちゃんとお婆ちゃんになってから…
そう思ってるのに
手紙を読むと
Aと2人で思い出話をしているようで
Aとのことが思い出に、過去のことにしてしまいそうで
やだよ。まだ過去のことにしたくない。
Aは生きてるんだから。
でも、Aはそう思ってたんだ。
俺はこうだったな〜って
ちょっと懐かしい気持ちになる。
最後のページに差し掛かって
なんとなくこれを捲るべきか少し躊躇した。
このページを読んでしまうと
完全に過去のことにされてしまう気がして。
きっとAは
俺がAのことをAとのことを
思い出にできるように。
ふっきれるように。
そう思ってこの手紙を書いてるから。
彼氏だからじゃない。
これはきっと幼馴染だから
なんとなくわかるんだ。
この次のページを読まなくなたって
なんとなく書いてることはわかる。
でもこんな手紙でさ
完全にAを忘れるほど
俺の気持ちはそんな浅いもんじゃねーよ。
そんな反抗心からか
最後のページをめくった。
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作者名：唯音
| 作成日時：2023年2月15日 20時
