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☆優しさの裏側 ページ35

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( ☆リクエスト )




ー Side ななもり。 ー





メンバーが帰って俺とさくちゃんの2人きり。


みんな気を利かせてくれたのだろう。




でもさくちゃん、素直になってくれるかなぁ。





ソファに隣同士で座る俺達。

さくちゃんはずっと落ち着かなさそうに腕や首を触っていた。




ななもり「どうしたの?」

『あっ、いやなんでも...』

ななもり「もしかして怪我した?」

『え?いやいやそれはないよ』



静かに首を振るさくちゃん。
確かに怪我はしてない。




『...思い出しちゃう』

ななもり「ん?」

『思い出すと吐きそうになる。消えないんだ』

ななもり「さくちゃん...」

『好きになりすぎるって怖いね』





それはそのストーカーに言ってるの?



...俺達もさくちゃんのこと好きになりすぎちゃったよ。





ななもり「俺も一緒に警察に行くね。だから何されたか聞いちゃダメかな...?」



思い出したくないことかもしれないけど。

やっぱり聞いておくべきだと思う。




俺も一緒に苦しんで泣くことはできるから。
共有したい。





さくちゃんは小さい声でぶつぶつと話してくれた。



キスされたこと、身体を触られたこと。

さくちゃんは自分のことを「汚い」と苦しそうに笑った。




ななもり「さくちゃんは汚くなんてない」

『汚いよ...、触られたところ気になって仕方ないんだずっと。...へへっ、なーんてね。時間が経てば忘れるよね』




悲しそうに笑ってたさくちゃんが、急にふざけたように笑った。


俺を悲しませないようにするためなのか。




でも一番苦しそうなのはさくちゃんだ。

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作者名:ひーりん。 | 作成日時:2019年6月5日 21時

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