すとぷりのお姫様は愛されている！４ (ページ27)

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ー Side ななもり。ー

叩いても何も返答がない。

ななもり「さくちゃん！...さく！」

無事なことを教えてほしい。
それだけでいいから。

ガチャ、

そのとき物音が聞こえて鍵が開いた音が聞こえた。

慌てて扉を開けた俺は、さくちゃんの姿に安心したのと同時に苦しくなった。

『ずるいよ...、なーくんのさく呼び。こういうときに使うんだもん、ずるい』

か細い声だった。
今にも泣きそうな声。

『もう、みんなに頼りたくなかったのに』

ジェル「頼ってくれんと俺が嫌や」

隣にいたジェルくんはさくちゃんにそう言ってぎゅっと抱きしめた。

さくちゃんは身長も体格も大きいジェルくんにすっぽり収まっている。

アンチの件は俺達の口からは発信できない。

また広がるだけだから。

収まるまで待たなきゃいけない。

それがさくちゃんにとって、俺達にとってもつらすぎるんだ。

ジェルくんの胸に顔を埋めて泣いてるさくちゃんの頭を今はただ撫でるしかできなかった。

最近はさくちゃんの泣いてる姿を見ることが増えてしまった。

あんなに作戦会議で「見たいのはさくちゃんの笑顔」って。

「それか幸せの涙が見たい」って。

みんなであれほど言ってたのに。

俺達は一体何をしてきたんだろう。