33日目。 ページ40
side__satomi
「……どうしよう、さとみくん。」
俺が寝室に向かって声をかけると、彼は不安そうな顔をしてから顔を出す。
「まさか、Aちゃんが絵師さんだったなんて……」
「俺も全く気付かなかったから、しゃーない。」
目の前にいる、彼___るぅとくんが"絵師"としての彼女を知るのには理由がある。
彼女の質問箱にリクエストを入れたのは、紛れもない彼だからだ。
俺ところんは一週間前にるぅとくんからある相談をされた。
話を聞けば、自分の曲のイメージ通りの絵を描く素敵な絵描きさんに出会ったから依頼をしたいけれど、彼女は依頼を募集してない上に歌い手界隈には無縁、だと言う。
依頼を募集したないなら諦めたら?なんて、現実味がある言葉を口にしかけたが、必死に藻掻く彼を見て言葉を飲み込んだ。
どうしたもんか、と頭を抱え,悩み続けるるぅとくんに対して、ころんが言った。
"彼女、今リクエスト募集してるし入れてみたら?匿名だからバレないでしょ。"
俺も、名案だと思った。
るぅとくんは嬉しそうに笑って、何度も俺たちに文面を確認させ、リスエストを送ったのだ。あわよくば、これから一緒に仕事が出来ますように、と、願いながら。
「俺達だけで今ここで決めて良い問題じゃない。るぅとくんの大学生活も関わってくる。現状は様子見、かな。とりあえず、なーくんに相談しよう。」
「……うん。僕、電話してくるね。」
携帯を握りしめて、部屋を変えたるぅとくんの後ろ姿を目で追う。
俺は、携帯を開き、某有名SNSアプリを開く。
止まらない通知にはもう大分手馴れていた。通知を見なかったことにして、他のアカウントを開く。
彼女のTwitterページを開き、ツイートと共にメディア欄を漁る。
勿論、自分の個人の趣味のアカウントで。
FFは僅か5人。鍵アカウントだ。
好きなモデルさん、芸能人さんの活動を確認するだけの物である。
いつどこから情報が漏れるかわからないわからない今、活動垢で彼女のTwitterを確認するのはリスクが高すぎる。
文字と同じ様に、絵にも人間性は溢れると俺は思っている。
Aちゃんの気持ちが、一つ一つの絵に詰まっていて心が満たされるのを感じた。
1枚1枚の絵が、俺に訴えかけてくる。感情を大きく揺さぶられる。
スクロールする指は止まらず、結局2年前に初めてあがった作品に辿り着いてしまった。
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チョコ - めっちゃ好きです(( (2020年11月9日 1時) (レス) id: b8ba54da77 (このIDを非表示/違反報告)
ももんが(プロフ) - めっちゃおもしろいです!いい感じにシリアスだったり、ころちゃんの猿キャラだったり、キュンキュン要素だったり…最高です!!さとみくん推しで見に来たんですがこれはるぅとくんオチめっちゃ気になります…これからも期待してます!ありがとうございます!! (2020年3月15日 3時) (レス) id: 43039e50b7 (このIDを非表示/違反報告)
瑞乃(プロフ) - ゆらさん» 返信遅くなりすみません!表現力が乏しいので分かってもらえるか心配していたので良かったです〜! ありがとうございます!励みになります (2020年2月14日 1時) (レス) id: d619556bbc (このIDを非表示/違反報告)
瑞乃(プロフ) - 愛由さん» 遅くなりすみません!ゲーム上手い組のさとるぅと凄く好きなので贔屓してます笑 読んでくださりありがとうございます。 (2020年2月14日 1時) (レス) id: d619556bbc (このIDを非表示/違反報告)
ゆら(プロフ) - 名前も出されていないのにどのメンバーか分かってしまう私はもはや病気です。。。これからも頑張ってくださいね! (2020年1月2日 23時) (レス) id: 7e1be6dd9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瑞乃 | 作成日時:2018年12月16日 23時