23日目。 ページ28
それは、優柔不断な私にとって魅力的すぎる提案だった。
「本当にいいの…?」
「うんうん、気にしないで!」
私の小さな発言が、春斗くんに気を遣わせてしまったという罪悪感が私の心に渦巻いた。
今度なんか奢ってあげよう。
「ごめんね。」
「Aちゃん。僕、そこはありがとうの方が嬉しいよ」
「…そっか、春斗くんありがとうね」
「どういたしまして!」
"何だかんだ律儀なAちゃんも好きだけどね"
「ごめん、今何か言った?」
「ううん、何も。」
春斗くんが何か呟いたのはわかったが、その内容は私に届かなかった。
追求しようにも、春斗くんがあまりにも寂しそうに笑うもんだから私は口を閉ざした。
「お待たせしました、こちら__」
丁度そこに2つのクレープが運ばれてくる。
ほんのり香るバターが食欲をそそる。
艶やかな苺がたっぷり載せられたフレッシュな苺クレープと、たっぷりのアイスと生クリームの上に満遍なくかけられたチョコが魅力的なチョコクレープ。
見た目の美しさでは両者とも一歩も譲らない。
思わずゴクリと唾を飲み込む。
「あ、ねぇ春斗くんどっち先食べたい?」
「Aちゃんが食べたい方先食べていいよ」
「私はいいから! 今回は春斗くんに選択権があります」
「えええ悪いよ、」
何を言うんだ彼は。今日一日私は彼に甘やかされ過ぎている。流石に私もこれ以上は、譲れない。これ以上は、春斗くんに申し訳なさ過ぎて胃に穴があきそうだ。
「いやいやそれ私のセリフだからね春斗くん」
どう返答すればいいか悩んでいるのか、少しだけキョドりだす春斗くんに、最後のひと押し。
「ほら、アイス溶けちゃうよ?」
「…うぅ、じゃあ苺食べたいです」
「ん、じゃあ私チョコ食べるね。」
お互いクレープに向き合う。
クレープって、どこから食べたらいいんだろうなんてたじろぎながら今にも零れ落ちそうなチョコソースたっぷりのバニラアイスと生地にスプーンを伸ばした。
「ッッ、おいしい〜!!!」
甘さ控えめのチョコソースとバニラアイスの相性が抜群な上に、パリパリに焼き上げられた生地堪らなく美味しい。
「うんうん、凄い美味しいね!」
向かいの彼に目を向ければ、幸せそうにクレープを頬張っていた。かわいい。
ワンコインでこの見た目、この美味しさだから最近の世の中は侮れない。
*
更新おサボりしててすみません。文字数足りない。
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チョコ - めっちゃ好きです(( (2020年11月9日 1時) (レス) id: b8ba54da77 (このIDを非表示/違反報告)
ももんが(プロフ) - めっちゃおもしろいです!いい感じにシリアスだったり、ころちゃんの猿キャラだったり、キュンキュン要素だったり…最高です!!さとみくん推しで見に来たんですがこれはるぅとくんオチめっちゃ気になります…これからも期待してます!ありがとうございます!! (2020年3月15日 3時) (レス) id: 43039e50b7 (このIDを非表示/違反報告)
瑞乃(プロフ) - ゆらさん» 返信遅くなりすみません!表現力が乏しいので分かってもらえるか心配していたので良かったです〜! ありがとうございます!励みになります (2020年2月14日 1時) (レス) id: d619556bbc (このIDを非表示/違反報告)
瑞乃(プロフ) - 愛由さん» 遅くなりすみません!ゲーム上手い組のさとるぅと凄く好きなので贔屓してます笑 読んでくださりありがとうございます。 (2020年2月14日 1時) (レス) id: d619556bbc (このIDを非表示/違反報告)
ゆら(プロフ) - 名前も出されていないのにどのメンバーか分かってしまう私はもはや病気です。。。これからも頑張ってくださいね! (2020年1月2日 23時) (レス) id: 7e1be6dd9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瑞乃 | 作成日時:2018年12月16日 23時