11日目。 ページ13
彼の冷たい手に気持ちいいと感じたのは本心で、本音溢れてしまった。殆ど自滅だ。
「お粥作ったので良かったらどうぞ。
…不器用なので、美味しくなかったらすみません。」
申し訳なさそうな彼の手元の小ぶりのトレーには湯気が立ちのぼる如何にも美味しそうなお粥がある。
白米がキラキラと光沢を放っていて、とても美味しそうだ。
風邪をひいていると食欲が無くなる筈なのに、不思議と食欲は増す一方だった。
「身体、起こせますか？」
「…なんとか、」
ゆっくりベットの上で体を起こす。
差し出されたトレーを受けとろうとすると、彼はトレーをサイドテーブルに置いて、人掬いのお粥を私に差し出す。
「いや、え、」
「あ、熱いですよね。ちょっと待って下さい。」
彼はふー、ふー、とお粥に息を吹き掛け熱を覚まそうとしている。
「一人で食べれますよ…？」
「病人は大人しくしててください。」
「ほら、あーん。」
羞恥心は熱でどうにかなってしまった。
目の前に差し出された美味しそうなお粥と膨れ上がった食欲に、逆らうことが出来なかった。
「…おいしい。」
少し熱かったが、濃くもなく薄くもなく、心温まる優しい味だった。
「それなら、良かったです。」
安心したのか、彼はへにゃりと笑った。
お粥をぺろりと平らげた私は、彼に声をかける。
「ここまでして貰ってこれで終わりだなんて、流石に気が済まないので何かさせて下さい。私に出来る範囲になっちゃいますけど…」
心からの本音だ。こんな見ず知らずの人を助けてくれる、そんな優しい方なら尚更何かしてあげちゃ気が済まない。
自分で言ったのにも関わらず何だか怖気付いてしまい、彼の言葉を待つ間、ぎゅっと目を瞑った。
「じゃあ、僕と友達になって下さい！」
「へ？」
"そんな事でいいの？"
口から出そうになった言葉は飲み干した。
彼があまりにも嬉しそうに、幸せそうに笑うものだから。
「誰かとこんなに口論したの久しぶりなんです、すっごく嬉しくて。花崎さんとこれで終わりにしたくない、って思って…駄目ですか？」
初めて、男の子に対して胸が高鳴った。
「私なんかで良ければ、ぜひ…！！」
こうして、私と春斗くんは友達になった。
✽+†+✽――✽+†+✽――✽+†+✽――
さとみくんの小説なのに全然出せてない…
ごめんなさいもう少しお待ちください。
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チョコ - めっちゃ好きです(( (2020年11月9日 1時) (
レス) id: b8ba54da77 (このIDを非表示/違反報告)
ももんが(プロフ) - めっちゃおもしろいです！いい感じにシリアスだったり、ころちゃんの猿キャラだったり、キュンキュン要素だったり…最高です！！さとみくん推しで見に来たんですがこれはるぅとくんオチめっちゃ気になります…これからも期待してます！ありがとうございます！！ (2020年3月15日 3時) (レス) id: 43039e50b7 (このIDを非表示/違反報告)
瑞乃(プロフ) - ゆらさん» 返信遅くなりすみません！表現力が乏しいので分かってもらえるか心配していたので良かったです〜！ ありがとうございます！励みになります (2020年2月14日 1時) (レス) id: d619556bbc (このIDを非表示/違反報告)
瑞乃(プロフ) - 愛由さん» 遅くなりすみません！ゲーム上手い組のさとるぅと凄く好きなので贔屓してます笑 読んでくださりありがとうございます。 (2020年2月14日 1時) (レス) id: d619556bbc (このIDを非表示/違反報告)
ゆら(プロフ) - 名前も出されていないのにどのメンバーか分かってしまう私はもはや病気です。。。これからも頑張ってくださいね！ (2020年1月2日 23時) (レス) id: 7e1be6dd9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑞乃 | 作成日時：2018年12月16日 23時
