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「え？」
なぜ、コートを羽織る階級の海兵が私の名前を知っているのだろう。捜索願いでも出されていたの？
私が困惑した顔をしていたからか、海兵はわたわたと慌てた様子で付け加えた。
「人違いでしたら、すみません。あなたが僕の、幼馴染にとてもよく似ていたから…」
申し訳なさそうに眉尻を下げて私の手を離した。
「たしかに、私の名前はAですよ。でも、幼馴染だなんて…私の幼馴染で、男なのは…」
コビー。いつも気にかかる。中肉中背で猫背気味。大きなメガネをかけていて、すごく喧嘩が弱かった。でも誰より正義感があって、誰より優しくて、夢が海軍になることだった。ある日突然姿を消してしまった。あの…
頬をかきながら、申し訳なさそうかつ照れ臭そうにしている海兵の顔を今度は私がまじまじと見つめることとなる。
いや、まさか。でもそのメガネ、その髪色…。
おずおずと尋ねた。
「…コビー？」
「…！やっぱりそうだ！Aさんなんですね！お久しぶりです…！」
「いや、でも私の知ってるコビーは…もっと…」
「そうです！そのコビーです。僕が、チビで贅肉ダルダルだったあのコビーですよ。」
信じられない。
目の前で目を光らせる、このしっかりとした男が…？
まさか！…でも…
彼は小さく笑って「ここで話すのもなんですから、軍艦で話をしましょう。」と、すっくと立ち上がってまともに歩けない私に手を差し伸べてくれた。
そのまま彼に支えられるようにして甲板に出ると、そこには忌々しい顔が苦痛に満ちた顔で縄に縛られていた。
本当に、終わったんだ。
「…長かった…」
「よくぞご無事で」
私の顔を覗き込む彼の顔は精悍で凛々しく、逞しい海の男のそれだった。
そのまま隣につけてある何隻かの軍艦に、繋がれていた女は私を含めて保護された。
久々の日の光と風になんとも言えない気持ちになる。
「まずはみなさん、簡単に食事を摂ってください。体力を回復させなくては。」
甲板で喜びを噛み締める女たちにコビーはそう声をかけた。1人に指示するとパンが手渡され、向こうのほうではいい匂いのスープが配給されるようだ。
「風呂にも入れるようにしてある。簡単な着替えしかねェが入りたいやつは順番に並びな」
金髪で奇妙なサングラスをした男が船内を指差してそう言った。ありがたい。
スープをもらい、近くの階段に座る。あぁ、まともな食事だ。頬が緩む。早速もらったスープにパンを浸して食べる。
「…おいしいなぁ」
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えんぴつ(プロフ) - ベルモットさん» 楽しみにしてくださっているなんてとてもありがたいです！ゆっくりですが今後ともよろしくお願いします〜 (2022年11月23日 13時) (
レス) @page10 id: 764e5730fb (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 初コメです。コビーの夢小説を探していた者なので、見つかってよかったです 。コビーが個人的に好きなキャラなので。次回も楽しみに待っています。 (2022年11月20日 13時) (レス) @page9 id: 9942db35dc (このIDを非表示/違反報告)
えんぴつ(プロフ) - 柚木崎はるかさん» うおおお、お恥ずかしい！本当ですねありがたいご指摘ですありがとうございます！！感想も嬉しいです〜！ (2022年10月25日 20時) (レス) id: 764e5730fb (このIDを非表示/違反報告)
柚木崎はるか(プロフ) - とても、面白いです！続きが楽しみです！多分、誤字なんだとおもいますが、「大丈夫です。きちんと生活のサポートを海岸が手配しますよ。社会復帰は可能です！」のセリフ海岸じゃなくて海軍だとおもいます！ (2022年10月24日 17時) (レス) @page8 id: 56c1ca58cc (このIDを非表示/違反報告)
えんぴつ(プロフ) - 嫁子ちゃん。さん» いやー！嫁子ちゃん。さん…！お久しぶりです嬉しいですううう私も嫁子さんの作品愛してますのでよろしくお願いします😭😭 (2022年10月18日 16時) (レス) @page8 id: 2203b18d2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えんぴつ | 作成日時：2022年10月18日 5時
