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Aを部屋へ送って別れた後、コビーはひとりさまざまな気持ちを噛み締めていた。
まず驚きがまだ消えない。そして、悲しみと怒りも尾を引く。
比較的平和な故郷から幼馴染が誘拐されていたこと、人の尊厳のない生活をしていたであろうことや、彼女の奪われた時間についてにも。そしてことを起こした海賊とそんな状況からもっと早く助けられなかった自分に腹が立った。
しかしコビーの中に渦巻くのはそれだけではなく、いやそれ以上に再会と命の無事を喜ばしく思う気持ちが大きかった。
穏やかでありつつ休む間もない甲板へ向かうと、待ってましたとばかりに金髪の男が隣へついた。
「助けた女が幼馴染なんてよくできた偶然だなァ大佐さんよ」
「ヘルメッポさん…。そうですね、驚きましたけど会えてよかったですよ」
「ひぇひぇひぇ、まさかお前に親しい女がいたなんて想像してなかったぜ」
ヘルメッポと呼ばれた男は揶揄うようにしてコビーの肩をバシバシと叩く。
自分の性格を揶揄われたことに眉をひそめたが、ヘルメッポは続けた。
「しかしまァ、よかったじゃねェか。故郷の人間にはそうそう会えるもんじゃねェ。女らをそれぞれに届けるまで時間もあるんだ、じっくりやれよ〜」
部下に指示を仰がれたためヒラヒラと手を振りながらヘルメッポは行ってしまった。
「…ヘルメッポさんってば、何が言いたいんだろう」
幼い頃から気が弱くて、ろくに相手にされてこなかった忘れたいほど恥ずかしい幼少期。
思い出したくはないが、Aがいじめられても笑うコビーを情けないと言いつつ真正面から相手してくれる子であったことは覚えている。ろくに友達はいなかったコビーだったが、彼女といつか友人になりたいと思っていた。
(彼女の正義感に僕は救われて、より正義の味方になりたくなったんだった。あのときは無理だって思うばかりで実際今よりダメダメだったなぁ)
これ以上思い出すと自分が恥ずかしくて悶えたくなりそうだったためコビーは頭を振り、夢を叶えた誉れについて考えるようにした。あの時よりは強くなれたはず。過去は過去だ。
「さて、Aさんリハビリプロジェクトについて練らなくちゃ」
実のところコビーは一般の人へのリハビリなんて一度もやったことはなく、海軍の通常業務などでもない。ただ彼女の力になりたい勢いで提案してしまっていたのだ。
なにはともあれ、今度は頼りにされているんだ！というえもいわれぬ喜びがコビーのモチベーションである。
続く (更新停止中)
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えんぴつ(プロフ) - ベルモットさん» 楽しみにしてくださっているなんてとてもありがたいです！ゆっくりですが今後ともよろしくお願いします〜 (2022年11月23日 13時) (
レス) @page10 id: 764e5730fb (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 初コメです。コビーの夢小説を探していた者なので、見つかってよかったです 。コビーが個人的に好きなキャラなので。次回も楽しみに待っています。 (2022年11月20日 13時) (レス) @page9 id: 9942db35dc (このIDを非表示/違反報告)
えんぴつ(プロフ) - 柚木崎はるかさん» うおおお、お恥ずかしい！本当ですねありがたいご指摘ですありがとうございます！！感想も嬉しいです〜！ (2022年10月25日 20時) (レス) id: 764e5730fb (このIDを非表示/違反報告)
柚木崎はるか(プロフ) - とても、面白いです！続きが楽しみです！多分、誤字なんだとおもいますが、「大丈夫です。きちんと生活のサポートを海岸が手配しますよ。社会復帰は可能です！」のセリフ海岸じゃなくて海軍だとおもいます！ (2022年10月24日 17時) (レス) @page8 id: 56c1ca58cc (このIDを非表示/違反報告)
えんぴつ(プロフ) - 嫁子ちゃん。さん» いやー！嫁子ちゃん。さん…！お久しぶりです嬉しいですううう私も嫁子さんの作品愛してますのでよろしくお願いします😭😭 (2022年10月18日 16時) (レス) @page8 id: 2203b18d2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えんぴつ | 作成日時：2022年10月18日 5時
