Diamond Girl 【10】 (ページ20)

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樹｢きょも、自分の事責めんなよ｣

樹の言葉も今は聞こえない。

ただ、今は沢山の管に繋がれ、病院のベッドに横になっているAの手を握るしか出来ない。

Aに力強く押されたと思ったら肩に痛みを感じ、何故怪我をしたのか分からずにいる時に目に入ったのは、Aの肩に目を逸らしたくなる程深く突き刺さったナイフと、意識を失ったA、真っ赤に染まった右肩。

何も出来なかった。

声も出せなかった。

当然撮影は中止。

Aの事に必死で周りに居たファン達に何も声をかけないまま病院に向かった。

申し訳ない気持ちでいっぱいだ。

ファンにも、Aにも。

Aを刺した男はスタッフが警察に突き出してくれた。

その男はAのファンだったらしく、Aと親しくしている俺が許せなくて最初から俺狙いでナイフを振りかざしたらしい。

それに気付いたAが咄嗟にその男から遠ざけてくれたお陰で俺は軽傷で済んだが、Aに大怪我を負わせてしまった。

京本｢ごめん、俺のせいで皆の大事なA傷付けた｣

高地｢何言ってんだよ、お前が1番大事にしてんだろ。
大丈夫だよ、Aすぐ目覚ますって｣

京本｢……そうだといいけど｣

夜まで待ったが、その日Aは目を覚まさなかった。

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