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レ「ただいまー」
お「あー!疲れた!!」
そんな声が玄関から聞こえてくる
もう日課となってしまった夕飯作りの手を止めて、帰ってきた先輩たちの方を覗いた
『おかえりなさ…え?』
見慣れた先輩たちの後ろに隠れているピンク髪に言葉を失う
嘘でしょ、と思いながらもあのピンク髪の人物はもうあの人しか心当たりがなかった
夕「じゃじゃーん、A久しぶり!」
そう言って手を広げている夕コさんに一瞬思考が止まる
勢いのまま彼女に近づいて、胸元に飛び込んだ
夕「あははっ、久しぶりだね〜」
『夕コさっ…』
初めて先輩達と再開した時のようにまた涙が止まらなくなる
最近はなぜこんなにも直ぐに泣いてしまうのだろう
夕「え、え?泣いてる!?」
ろ「俺らと会った時も泣いてたって」
夕「そんな泣き虫だったっけ??」
『ちがいます…』
そう言うと違うんだよ、と笑いながらも頭を撫でてくれた
嬉しさや驚きでぐちゃぐちゃの感情のまま顔を上げると、懐かしい私の大好きな彼女がいる
夕「も〜、あの時よりもっと可愛くなってどうすんの?だからこんな奴らに誘拐されるんだよ」
お「俺らの事ま??」
ば「誘拐じゃないもーん」
でもどうせ攫ったんでしょ、と図星な夕コさんの発言に言葉を詰まらせる先輩達
やっぱり彼女には皆敵わない
レ「まぁそれよりも、急に来て今からどうすんの?」
夕「え?そりゃAとお出かけ行ってくる」
ろ「は?いや今外出て見つかったらえぐいて」
夕「変装すれば大丈夫っしょ」
いや危なすぎ!?と私を外に出すのを不安がっている蓮さん
確かに前プリズンに迎えに行った以来、一度も外に出ていないし何ならあの時もずっと車内にいただけだった
夕「めんどい男は嫌われるよ?さ、A行こ〜」
『え、え?』
背中を押されて強引に家の外に出るよう促される
まだ納得してないない様子の蓮さんとは対照的に、レダーさんや刃弐さん、音鳴さんは行ってらっしゃいと見送ってくれた
ば「気をつけてね〜」
お「何かあったら夕コ身代わりにしろよ!」
レ「夕コの近く居とけば馬鹿力で何とかしてくれるから」
夕「おい後の2人覚えとけよ」
そんな会話に笑いながらも豪邸を出た
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作者名:ごーすと | 作成日時:2025年1月3日 8時