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rdo side
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Aが誘拐されたあの日以来、心にぽっかり穴が空いたような感覚がする
失ってから気がつく、なんて子供じゃあるまいしもっと早く自覚しておくべきだったんだ
バ「Aから連絡があった、1週間休むそうだ」
皆で必死に彼女を探して結局なんの収穫もなく帰ったあの事件の次の日、署長からそう言われた
一瞬安心したが直ぐに疑念が生まれる
それは他の署員も同じようで
ナ「それは…本人から聞いたんですか?」
バ「いや、メッセージが来た」
ぺ「それって誘拐した奴が送った可能性もありますよね?」
バ「…その可能性が高い、返事も返ってこないしな」
そう言って見せられたトーク履歴はどこかおかしかった
有給休暇をもらうという旨の簡潔な文章だけで、その後の署長の言葉には何にも反応がない
オ「ならまだ危ないじゃないか!早く探さないと…」
皇「この感じは絶対本人じゃないですよ!」
そう声を上げるオルカと皇帝は昨日も夜遅くまで彼女を探して街を走り回っていた
しばらくしてから署長が声を出す
バ「その気持ちは分かる、だが私達はこのメッセージを受け止めるしかないんだよ」
つ「はぁ?署長ほんとに言ってんすか!?」
キ「流石にそれはないぜ」
そう言う特殊刑事課の2人も、普段なら嫌がる夜遅くのパトロールに自ら行ってくれた
バ「嘘かもしない、だけどその確証が無いんだ」
ネ「確証って…そんなの気にしてらんないよ」
バ「よく考えてくれネル、本人から休むと言われた以上プライベートに関与する事は出来ない」
そう言われて口を噤むネルさん
他の署員たちも何処か納得がいかない様子だが、署長の言っていることをよく理解しているせいか何も反論が出来ない
バ「皆の気持ちはよく分かる、それでも我々は警察である以上何もすることが出来ない」
マ「…なんだよ、それ」
隣で俺しか聞こえないほど小さな声でそう言葉を零すマンゴー
Aが居なくなった時、真っ先に探しに行ったのも1番傷ついていたのも彼だった
バ「1週間待とう、もしそれでも帰ってこなかったら警察で全力で捜査する」
その署長の言葉を最後に、会議は終わった

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作者名:ごーすと | 作成日時:2025年1月3日 8時