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私が前の街、ロスヨントスの警察だった頃
今のように事件を対応して、犯人を捕まえて、そんな何気ない日々を送っていた
ロスヨントスの警察はロスサントスの警察よりもずっと治安が悪く、誰かが汚職したなんて日常茶飯事で
そんな環境でも支えてくれた先輩達が沢山いたおかげで何とか続けられていたのだと思う
「A飯食ってるか!?警察は食べる事が大事やからな!」
関西弁で少しおっちょこちょいの彼も
「えA怪我やばいぞ、こっちで止血するからおいで」
すごく優くていつも守ってくれた彼も
「A俺の事気づかないのマ?…まぁ許すけどっさ」
面白くていつだって雰囲気を明るくしてくれた彼も
「A〜、パトロールいこ!」
いつも慕ってくれた仲間思いの彼女も
「無理してるでしょ、はい今日は休みなさい」
いつだって頼りがいのある彼女も
「A、ヘリ上手くなったね」
ずっと私が追い続けてきた背中の彼も
皆私にとって家族のような先輩達で、今までもこれからもずっと一緒にいたいって思っていた
それでも人生は残酷で、それが叶う事は無かった
私は父母ともに同じ警察に属していた
働く場所も基本同じで、警察一家だなんて呼ばれるのもよくある事だ
そんな両親が2人とも捕まった
初め聞いた時は理解が追いつかなかった
「お前の親が汚職した、ギャング達と一緒にカジノに行ったそうだ」
そう上官から聞いた時、頭の中は疑問でいっぱいだった
何でそんな事で両親が捕まらないといけないのか
この警察は汚職する人が多いんじゃなくて、汚職だとすぐ判断されるからだ
わたしの親は汚職なんてしていない
そんな事を上官に言えるはずもなく、両親はただ運命を受け入れて警察を辞めた
『してないんです、汚職なんてするわけないのに、!!』
「…うんうん、そうだよね」
親が警察をやめた日の夜も、ヘリを初めに教えてもらった彼に背中をさすられながら感情を吐露した
あんなに感情的になったのは最初で最後かもしれない
「皆分かってるよ、俺達はAの傍にいるから」
その優しい声が今でも忘れられなくて、その時はしばらく泣いていたのを覚えている

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作者名:ごーすと | 作成日時:2025年1月3日 8時