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「バカだバカだと常々思っていたがここまで馬鹿だったとは…」
「お、お嬢！流石に素手でガラスは触らない方が…自分が軍手と新聞紙を持って来ますンで」
「早くしろって言ったのはそっちでしょ？一々取りに行ってたら時間が掛かるじゃない。あと源治、しつこいよ」
「いえ。例えお嬢の頼みでもこれだけは譲れません。総裁の御息女だからではなく貴女は今の俺を形作ってくれたお一人です。そんな恩人を不躾に呼びつけるなんて俺には出来ません」
大男が無表情で捲し立てるように早口で喋る様は中々圧巻で、少女は「あ、はい」と思わず敬語になってしまった。
では準備してきます、と足早に去っていた源治を見送り少女は呟くように言った。
「おっっっも」
「拗らせなければいいな」
「こじ…え、なに？」
小難しい言葉に少女が首を傾ぐが知らん顔。
この愚妹の所為で黒崎会の若頭候補の未来が潰えたなんて、…冗談でも笑えない。
その内何らかのきっかけにより敬愛から恋慕にシフトチェンジしたりして「娶りたい」なんて言い出しそうで末恐ろしい。
呼ばれたくない。ライバルから「兄貴」と呼ばれた暁にはきっと龍人は衝動のまま元凶を斬り殺してしまうだろう。
そんな龍人の心情を微塵も気に止めず、頬に垂れた血を道着で拭き取る元凶の少女に龍人は問いかける。
「お前、ここを出ていくのか」
「？？？」
少女が何の事？と言いたげに首を傾ぐ。
「鳥頭め。さっき総裁に言ってただろう」
「ああ。うん、そう。いつかここを出て好きなように暮らす」
「無理だ」
食い気味で言い切った龍人に、少女も負けなかった。
「何で兄さんが決めるの？無理かどうかなんてまだ分からないよ」
「笑わせるな。言いつけられた稽古も碌に熟せない、逃げ出す始末である弱いお前が九龍の後ろ盾なくして一人で生きていけるワケが無い」
「だからもう稽古を投げ出さないって今決めたの」
子供の様な言い訳に思わず鼻で嗤う。
「ハッ…今更」
「遅いって？それこそ兄さんが決める事じゃない」
それはとっくに決断している迷いのない眼差しだった。
「あたしの人生なんだから口出ししないで」
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花恋(プロフ) - 更新再開を心よりお待ちしてます (2021年1月30日 3時) (
レス) id: e938aee02d (このIDを非表示/違反報告)
ハチ公(プロフ) - 花恋さん» コメントありがとうございます。不定期更新ですがまた読んでやってください(^^) (2020年7月29日 21時) (レス) id: 5dc992d6af (このIDを非表示/違反報告)
花恋(プロフ) - とても面白いです！これからどんな展開になるのか今からドキドキです^ - ^ (2020年7月22日 22時) (レス) id: 2b0127518b (このIDを非表示/違反報告)
ハチ公(プロフ) - りさん» コメントありがとうございます。嬉しいです(^^) (2020年7月7日 22時) (レス) id: 55961c2479 (このIDを非表示/違反報告)
り(プロフ) - すごく面白いです、更新楽しみにしています！(^^) (2020年7月7日 5時) (レス) id: 0ffa97bc4b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハチ公 | 作成日時：2020年7月1日 9時
