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クロがスーパーに戻る頃には警官が到着し、被害者の女性に話を聞いているところであった。
先程のみたいにパニックは起こしていないが顔色は変わらず色を失くしたままで目も何処か虚ろで心ここに非ずといった様子だ。
その辺にバイクを止めたクロは女性の背後からその肩を優しくそっと叩くと、仕事中の警官が口を挟もうとするがクロが持っているバックにその口を閉じざるを得なかった。
「はい、どうぞ」
「…え、あ、わ…私のバックっ！！」
「中身、盗られてないと思いますが一応確かめて下さい」
女性が慌てて中身を確認すれば、銀行から下ろしたてのお金や通帳、携帯といった貴重品は全て揃っていた。漸く肩の荷が下りた女性は満たされる安心感に思わず目頭が熱くなり、大粒の涙を零しながらクロの両手を握り締めた。
「ありがとう゛ございま゛すッあり゛がとうござい゛ます…！」
「どういたしまして。戻って来てよかったですね」
「あ゛あのっ何かお゛礼をっ」
女性の手を優しく上下に振り、離そうと指先を緩めればすれば縋り付くように再び強く握られる。
お礼はいらない、とクロは自分が勝手にした事であると伝えるが女性は納得できず一歩も引かない。
少し悩んだ結果。クロはサルエルのポケットから名前と電話番号だけが手書きで綴られる手作り満載の名刺を１枚女性に手渡した。
「くろ…さん？」
「はい！あたし何でも屋やってます。店番配達、子守りから犬の散歩、危ないお仕事以外は基本何でも受け堪ります。料金は要相談。もし何かお仕事があればご連絡下さい」
言い慣れた謳い文句に唖然とした女性が小さく頷いたのを確認したクロは「では失礼」と軽く会釈し今度こそその場を後にした。
パーカーからカメラを取り出し、何処も異常ないことを確認したクロはバイクを押して待っているであろう青年のもとへと向う。するとそこに青年の隣に懐かしい顔が並んでいるのに気が付いた彼女は思わず声を上げた。
「あれ？コブラちゃん？？」
「おう」
山王連合会総長である男の無愛想な返事を気にする様子もなく、クロは彼の止まってるバイクの傍に自分の荷物があることを知ると足早に駆け寄る。
「コブラちゃん拾って見ててくれたの？助かったー絶対買い直しだって思ってたから」
「たくっ…不用心に荷物置いて行くなよ。相変わらず後先考えねえな」
「面目ない」
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花恋(プロフ) - 更新再開を心よりお待ちしてます (2021年1月30日 3時) (
レス) id: e938aee02d (このIDを非表示/違反報告)
ハチ公(プロフ) - 花恋さん» コメントありがとうございます。不定期更新ですがまた読んでやってください(^^) (2020年7月29日 21時) (レス) id: 5dc992d6af (このIDを非表示/違反報告)
花恋(プロフ) - とても面白いです！これからどんな展開になるのか今からドキドキです^ - ^ (2020年7月22日 22時) (レス) id: 2b0127518b (このIDを非表示/違反報告)
ハチ公(プロフ) - りさん» コメントありがとうございます。嬉しいです(^^) (2020年7月7日 22時) (レス) id: 55961c2479 (このIDを非表示/違反報告)
り(プロフ) - すごく面白いです、更新楽しみにしています！(^^) (2020年7月7日 5時) (レス) id: 0ffa97bc4b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハチ公 | 作成日時：2020年7月1日 9時
