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拳一つで成り上がる、天辺獲るって決めてよぉ、その為に鬼邪高の看板背負ってんだけど…なんかオレ、分からなくなっちまって」
ぼやくように打ち明ける村山にクロは相槌だけをうって応える。
「鬼邪高の頭になったら何かが変わるって思ってたんだよ。でも何も変わんなくて…コブラちゃんとタイマンして、喧嘩で初めて負けちまってからもっとワケ分かんなくなってさぁ。
何が違うんだろうなァ、…なァクロちゃん、俺とあいつ何が違うんだよ」
縋るように見え上げられた黒く隈に縁取られた目はまるで迷子の子犬のように見える。
そんな彼の頭を梳くように撫でながらクロは「うーん」と悩んでから、目尻を下げてごめんと謝った。
「あたしは良樹ちゃんみたいに誰かの上に立ったことないから、君の悩みに答えてあげられない。
立場が違い過ぎてきっといいアドバイスは出来ないと思う。ただ…そうだなぁ…」
クロは僅かに微笑んだ。
「良樹ちゃんは無理にコブラちゃんになろうと思わなくていいんだよ」
最後にもう一度申し訳なさそうに謝るクロに村山はそのままの体制で首を振った。
「謝んなくていいよクロちゃん。俺こそ困らせたてごめんねー」
「気分転換ならいつでも付き合うよ。考えに行き詰った時、連絡ちょーだい」
「行き詰った時しか連絡しちゃいけねーの？」
「こら揚げ足取るな…あ、そうだ良樹ちゃん」
何かを思い付いたクロが寝転がる村山の頭を腿からどかし、身体を起こさせるとカメラを構えて少し距離を取る。
「はいチーズ」
「は？え、何」
フラッシュが焚かれ、思わず目を眇める。
「いきなり撮んなよ、トーサツだ」
「隠し撮りじゃないので断じて盗撮ではありません。お、いい感じに映ってる」
「は？……最悪ッオレ眼ェ瞑ってんじゃん」
クロに撮った写真を見せてもらえば、クラスに一人はいる誤って目を瞑って映る奴のようになってしまっている自分に村山は顔を盛大に顰めた。
「クロちゃん撮り直して。もしくは消して」
「良樹ちゃんが答えを見つけたら、また改めて撮ってあげるよ。だから頑張ってね」
「……絶対だかんなッ」
先程まで死んでいた目が水を得た魚のようにキラキラ、というよりギラギラと闘志を取り戻しクロは胸を撫で下ろした。
大丈夫。彼なら答えを見つけられる。自分の方法で、自分のペースで。その時は思いっ切り格好良く撮ってあげると胸内で呟く。
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花恋(プロフ) - 更新再開を心よりお待ちしてます (2021年1月30日 3時) (
レス) id: e938aee02d (このIDを非表示/違反報告)
ハチ公(プロフ) - 花恋さん» コメントありがとうございます。不定期更新ですがまた読んでやってください(^^) (2020年7月29日 21時) (レス) id: 5dc992d6af (このIDを非表示/違反報告)
花恋(プロフ) - とても面白いです！これからどんな展開になるのか今からドキドキです^ - ^ (2020年7月22日 22時) (レス) id: 2b0127518b (このIDを非表示/違反報告)
ハチ公(プロフ) - りさん» コメントありがとうございます。嬉しいです(^^) (2020年7月7日 22時) (レス) id: 55961c2479 (このIDを非表示/違反報告)
り(プロフ) - すごく面白いです、更新楽しみにしています！(^^) (2020年7月7日 5時) (レス) id: 0ffa97bc4b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハチ公 | 作成日時：2020年7月1日 9時
