178.魅力 ページ28
*
「だから最近風呂一緒に入んないの？」
Aは下を向いたまま動かなくなった。おそらく図星。
これまでなんとなくできていた距離にも合点がいく。
俺の前で脱いでくれなくなったのはそういうことだった。
「Aは、そのままでいいって言ったじゃん」
「……うん」
「無理して背伸びしようとしなくていいんだって」
「……玲於くんのファンの人とか、ダンサーさんとか、綺麗な人ばっかりで……」
「嫉妬したんだ？」
「嫉妬っていうか……自分が恥ずかしくなった」
相変わらずとことん思い詰める性格のようで
「お前考えすぎだよ、ばーか」って
頭ぽんぽん叩いてやると「うぅ……」ってまた泣いてる。
「Aだってファンの人いるくらいかわいいの。自覚してよ」
「学生の時の話だよ？昔はよかったかもしれないけど、大人の色気みたいなのないの……出ないの。子どもっぽいし」
「お前にもあるよ」
「そういう嘘とかお世辞とかいらない……」
「そんなんじゃない。確かに身長とか童顔だとかあるかもしれないけど、スタイルは十分いいし、キスした後とかすげー……色っぽいよ……うん」
話しながらなぜか恥ずかしくなってきてしまって
もちろん聞いてるAも恥ずかしそうにしている。
「その……俺にはちゃんと分かってるから。そう映ってるから。……それとも俺以外のやつにモテたいとかあんの？」
「そんなのない……玲於くんだけでいい」
「なら、そのままでいいよ」
Aは誰とでもすぐ打ち解けて仲良くなるけど
簡単に自分をさらけ出すことはしない。
見てないとこで変なやつに言い寄られてないか
不安になることは多いけど
気持ちは俺から離れないのが分かるからまだ安心できる。
「それに、もう何度も言ってると思うけどキスのことだけで付き合ってんじゃないから。Aだってそうでしょ？」
「うん……ごめん」
「まだなんか不安なことある？」
「大丈夫……」
「じゃあ寝よ。俺、明日もライブなの」
「ごめんなさい……」
「じゃあさ、出張から帰ってきたら言ってた下着、着て見せて。それで許す」
我ながらいい条件を出したと思う。
ちょっときわどいやつ、ずっと気になってたから。
「……分かった」
「よし。明日ちゃんと起こせ！はい、早く布団入る！」
「はい……」
「……夢でももうさよならなんて言わせねぇから」
「うぅ……」
「あーもう、泣くなよ(笑)」
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はな*(プロフ) - Miiiiさん» お話読んでいただいてありがとうございます！今後もそういったネタ挟んでいけたらな…と思っております。引き続きお付き合いいただけると嬉しいです！ (2020年11月16日 0時) (
レス) id: 27dc132a0b (このIDを非表示/違反報告)
Miiii(プロフ) - 一気に読みました！面白かったです！キスの予約の所ニヤケ転げました。他にも語りたいけどネタバレになるので黙ります。 (2020年11月14日 12時) (レス) id: 35755ecf0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はな* | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ge_hana_/
作成日時：2020年11月12日 18時
