141.模索 ページ41
*
「じゃ、また」
「うん。そしたら、Aのこと頼んだ」
「おう、まかせろ」
「はは、よろしく」
「お邪魔しました。腕、お大事に」
思ったより……というか勝手に色々思ってただけだけど
ちゃんと話したらなかなかいいヤツだった。
仲良くなったのをAが知ったらびっくりしそう。
ただ、これからどう動けばいいんだろう。
脇山ちゃんが直接Aに何か言ったという証拠はない。
でもこの先何かあってからでは遅い。
脇山ちゃんか千夜ちゃんに何か言われてるとして
2人は俺らが付き合ってるのを知っていたということだ。
確か飲み会の日、やってきたAに
「会ったことありました？」なんて言ったのは
わざとなんだろうか。
.
「亜嵐くんと隼さ、脇山ちゃんから何か言われたりしてない？」
「いや、何も？あれから会ってないよ」
「うん、特に何もない」
「なんかあった？」
「別に大したことないんだけど」
「玲於、ちょっとこっち」
この2人には今のところ特に何もされてないみたいだ。
呼ばれて龍友くんの所に行った。
「なに？」
「おもろい話聞いたから玲於にも教えたろ、と思って」
「おもろい話？」
「サーフィン仲間の知り合いにな、Aちゃんと同じチアのチームにいたコおって聞いたんやけど……千夜ちゃんってチアやってた頃からよくAちゃんに嫌がらせしてたらしいで」
「なるほどね……」
「なんか分かったことあった？」
「なんとなく見当は付いてるけど証拠がない」
「そっか。なんかあったら言うてな？」
「うん、龍友くんありがとう」
Aが千夜ちゃんに
以前から嫌がらせを受けていたのなら今回もそのはず。
俺と付き合ってるのを知って、
別れろと言ったと考えるのが妥当だろう。
もしかすると何かで脅されてるのかもしれない。
やっぱりリスクを冒してでもAに会って
無理にでも本当のことを言ってもらうしかないのか……
「玲於、大したことないなんて嘘でしょ？何の話？聞くよ」
「いや……」
「話しておいたほうがええと思う。亜嵐くんきっと役に立つと思うし」
「俺、役に立つよ？(笑)」
「……じゃあお言葉に甘えて。ちゃんと役に立ってよ？亜嵐くん」
「任せなさい！」
*
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作者名：はな* | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ge_hana_/
作成日時：2020年10月17日 7時
