118.主役 ページ18
*
「見た！？玲於見た！？今の！すごくない！？」
「見てましたよ。でっかいホームラン、すごかったっすね」
「持ってんなーアイツ」
「ね、グラスラするとは思わなかった」
「いやーよかった！かっこいい！」
「放送席、放送席、本日のヒーローは9回裏、逆転サヨナラ満塁ホームランを放ちました田鍋選手です！」
「ありがとうございます」
「今のお気持ち、聞かせてください」
「とりあえず、勝ててよかったです」
ヒーローインタビューが始まる。
勝手に敵対視してたけど、実際に活躍を見ると
かっこいいと思ってしまうのと同時に
Aが田鍋遥を見る柔らかい表情に、
ほんの少しだけ嫉妬する。
「試合、振り返っていただきたいんですが1回、田鍋選手のタイムリーヒットで1点を先制しまして、8回に逆転されました。しかし9回、繋いでいって田鍋選手も準備されてたと思うんですが、いかがでしたか？」
「そうですね、正直回ってくると思ってなくて、どうしようかなと思ってましたね(笑)」
「ツーアウト満塁で回ってきた打席、どんな思いで入られましたか？」
「そうですね、やっぱり4番を任されてるからにはここは決めて、せめて俺が1点でも返そうとは思ってました」
発言の度、ファンの大きな拍手が球場に響く。
俺らも自然と真剣に聞いていた。
「最後にファンの皆さんに一言、お願いします」
「いつも応援ありがとうございます。明日からも勝って、優勝に近付けるよう頑張りますので、熱い声援よろしくお願いします」
「今日のヒーローは逆転サヨナラ満塁ホームラン！田鍋遥選手でした！」
「この後どうします？Aは？佐野くんと帰るの？」
「いや……ちょっとこの後、島村選手に用事あって。そうだ、選手誰か会います？試合前顔出しましたし、今行けば多分捕まりますよ」
「田鍋選手会えるかな？」
「遥くんいつも居残りするんで大丈夫かと」
俺はひとりで帰るのが嫌だったし
智哉さんも乗り気じゃないみたいだったのに
Aについて行くことになった。
また関係者入口に通してもらうと、
ロッカーから出てくる選手が俺達を見て驚いていく。
*
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 496人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「GENERATIONS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はな* | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ge_hana_/
作成日時：2020年10月17日 7時
