111.休日 ページ11
*
「わたしも玲於くんの筋肉触りたい……」
浴槽に俺の前に同じ方向で座るので、
Aは触れて手から肩、脚くらいまで。
意識して身体を触ってるのバレてたし
Aも触りたいと思ってたなんて予想外だった。
「あ……」
「ちょ、……だーめ」
腕を背中側に回してきて
よからぬところに触れそうになるので手を握って阻止。
そんなことされたら
約束守れなくなるけどいいんですかね？
「けち……」
「A、先上がって」
「なんで……？あ……」
「なんで？じゃないのよお嬢ちゃん」
「……いいよ、久しぶりだし」
結局上がって髪を乾かしてからも流れでしてしまい
布団の上でAは満足そうに俺の腹筋を触る。
「……そろそろいい？」
「えーまだ……」
「どんだけ触んだよ」
「いいじゃん、触って減るもんじゃないでしょ？」
「それならここも触って減るもんじゃないよね」
「やぁ！ちょっと！ぁ……」
「どうした？言ってみ？」
.
「おはよう」
「おはよ……早いね……」
「早くない。もう9時」
「もうちょい寝よ」
「玲於くんがいいならそうする」
Aは休みで俺も実は久々に1日休み。
彼女と昼まで寝れるなんて、もう少し浸らせてほしい。
出ようとしたAの手を掴んで布団の中に戻した。
「……ん……なに、昨日足りなかった？」
違和感を感じて目を覚ますと
Aの顔と手が目の前にあって、
俺の顔を触っていたようだ。
「ちがっ……」
引き寄せて唇を重ねると、すぐに目をとろん、とさせる。
「我慢してたのに……」
「ふーん……好きにしていいよ」
「えっ」
「したかったんでしょ？キス」
「……舌、出して？」
布団から出たのはお昼過ぎ。
シャワーを浴びて、お腹空いたので何か頼む。
「いいの？せっかくのお休みなのに」
「んー、まあいいんじゃね？」
「帰ろっか？」
「なんで帰んの」
「邪魔じゃない？ひとりで過ごしたいとか……」
「それならうちに呼んでないし」
「それもそっか」
「どっか行くとこあんの？今日」
「特にないよ？」
「……じゃあいて。ここにいて」
「……え？……うん」
ちょっと強く言ったのでAは少しこわばった。
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作者名：はな* | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ge_hana_/
作成日時：2020年10月17日 7時
