斉木空助のψ愛２【斉木楠雄のψ難】

天ψ科学者VSイケメン俳優５ ページ20

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ほ、褒めてくれたーーー！！！


人前でキスされた羞恥心など、吹っ飛ぶような喜びが溢れた。

私は溢れ出る笑みを必死に抑えるが、きっと隠しきれてないだろう。


「そういう単純な所、可愛いよね〜」

「え？あー、……そっち、ですか」


これは、おバカだね〜というニュアンスの『可愛い』だ。まぁ斉木さんらしいと言えば斉木さんらしい発言だ。

過剰に喜んでしまった自分に恥ずかしくなってくる。


「彼の妹の写真を見て、僕が一目惚れしたとか思ってるんでしょ？すーぐ勘違いしちゃってさ、可愛いよほんと」

「しょ、しょうがないじゃないですか、妹さん凄く可愛かったですし……」

「……そんなに不安だったら、君の可愛いと思う所言ってあげようか？じゃあ言うから聞いてて」

「え、ちょ、」

「全然人の話を聞かない猪突猛進な性格とか、努力すれば何でも出来るとか思ってる脳筋な所が可愛いし」

「……むしろ、悪口じゃないですか」

「顔にすぐ感情が出る所も、研究に目がない所も、……その僕の事好きで堪らないって表情も、可愛い」

「……う、あ……、そ、そんな表情してません、」

「してるし。そのワンピースも、褒められたくて着たんでしょ？僕が選んだから君にピッタリだね。可愛い、凄く似合ってる」

「も、もういいです満足、大満足しましたから終わりにして下さい……」

「ずっと可愛いって言われたかったんでしょ？こんなので満足出来ない筈だよね。耳まで赤くなってる、そういうウブな所も可愛い」

「う、うう……」


なんだ、何だこの新手の拷問は。

斉木さんが『可愛い』の大安売りセールをしてくる。

確かに私は『可愛い』と言って欲しいと思っていたが、こんな急にこられると処理出来ない。

ああ、顔が熱い。
思ってもないのに憐れみで言っているのかと疑おうとしたが、その笑顔には喜色が浮かんでいる。
……これは、本心で言ってると取ってもいいのだろうか。




「……あのさァ、二人の世界に入ってる所悪いんだけど、俺も居るんだけど」

「！！」
六神さんが死んだ魚のような目でこちらを見ている。

「あ、ごめ〜ん。見せつけちゃったね〜」

「うわウザっ！！マジなんなんだよお前ら、俺の心美をイチャイチャのきっかけに使うな！あーー、俺も早く心美に触れたい撫でたい嗅ぎたい……」


六神さんがストーカー紛いの事をボヤいているので無視をしていたら、店内に何人か日本人が入ってきた。

誰かを探している様子を見るからにして、きっと六神さんの関係者の方々だろう。

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