page169 接触 ページ29
またプリズムショーができる。そう考えると今回の依頼はとても喜ばしいことだった。
だが、彼女は。涼野いとは、どう思うだろうか。あれだけ怒りをかってしまった以上、堂々とステージにあがるのは不安である。また何かいざこざが起きるかもしれない。
レオ「すごいですね！楽しみにしてます！」
シン「ぼ、僕も見に行っていいですかね？」
寮生達の期待の眼差しを受け、いとと話し合うことを心に決めた。
きっと何か勘違いしているんだ。誤解を解かないと……。
カヅキ「何か飲むか？立てそうか？」
飲み食いしたいというよりは、気分転換をしたかった。長い間眠っていると、外の空気を吸いたくなる。
A「えっと…少し外に出て気分転換してきますね。」
ベッドから脚を下ろし立ち上がる。思ったより体調は良いみたいだ。気をつけてねと声をかけてくれたヒロに微笑んでみせて、部屋を出る。さっきのあれはなんだったのだろう。蘇る記憶は、悪い事ばかりで思い出さなければよかったのにと何度も思った。自分に、なにかいい思い出はあったのだろうか…。
寮を出ると、門の向こうに誰かが突っ立っているのが見えた。美しい白髪に、月の光を映したような瞳。左耳についたピアスがキラキラと輝いている。この世のものとは思えないそのオーラに、多少の警戒心をもった。
無視して場所を移動しようと踏み出したその時、彼が口を開いた。
「そろそろ戻ろうとは思わないの。」
男の人にしては高めの声でそう言われ、足を止める。
「もう気づいているんじゃない？」
寮の敷地内に入ろうとしない彼の方に向き直り、
A「……何が言いたいんですか。」
と尋ねると、表情を一切変えずにまた口を開いた。
「貴方の幸せが、私の幸せ。」
A「……っ！」
どこかで聞き覚えのある台詞に、目を見開いた。いつ、どこで誰が言ったかは思い出せないが、馴染み深い言葉だった。
「…まだ完全には記憶は戻ってないんだね。」
A「私の事知ってるの？」
「全ての記憶が戻る前に帰った方がいい。」
質問に応じない。だが、彼はAの事を知っている。何としてでも聞き出さなければ。
A「帰るって？どこに？」
「忠告はそれだけだよ。今の君は、帰る気は無いみたいだし……。」
A「ちょっと待って！貴方、名前は！？」
歩きだそうとした彼を呼び止める。じっと目を見つめたあと、静かに呟いた名をAは忘れなかった。
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kiko(プロフ) - コノミさん» コノミさん、いつも読んでくださりありがとうございます！本当ですか！とても嬉しいです励みになりますｯｯどうぞこれからもよろしくお願いしますね♪ (2020年4月9日 18時) (
レス) id: 92cacadd3e (このIDを非表示/違反報告)
コノミ(プロフ) - めちゃくちゃずっと読んでてめちゃ胸キュンします！！このシリーズは大好きなので 頑張ってください！ (2020年4月9日 0時) (レス) id: c314281d85 (このIDを非表示/違反報告)
kiko(プロフ) - えぃかさん» えぃかさん、読んでいただきありがとうございます！好みｯｯとても嬉しい褒め言葉です……まだまだ下手な文章ですがこれからも見ていただけると嬉しいです♪ (2020年2月11日 2時) (レス) id: 92cacadd3e (このIDを非表示/違反報告)
えぃか(プロフ) - めっちゃ好みの小説です！！続き楽しみにしてます！更新頑張ってください！！ (2020年2月11日 1時) (レス) id: 12b917d369 (このIDを非表示/違反報告)
kiko(プロフ) - いちごみるくさん» いちごみるくさん読んで頂きありがとうございます！そう言ってもらえて光栄です……(><)嬉しいです頑張ります！ (2020年1月13日 14時) (レス) id: 92cacadd3e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kiko | 作成日時：2019年3月24日 2時
