page68 寝起きドッキリ ページ20
昨日、ヒロさんと連絡先を交換してしまった………
スマショの画面を覗くとヒロの番号が表示されている。電話するわけでもないのに、じっとその番号を見つめる。時計の針が動く音が鳴っていることに気づき、視線を時計に向ける。
A「(やばっ、もうこんな時間…)」
朝食や夕食はほとんど毎日コウジがつくってくれている。バタバタと仕度をしてコウジの部屋に向かう。
カヅキ「おう!A!おはよう!」
部屋の前で偶然会ったカヅキは朝からとても元気な様子。
A「あ、おはよう…ございます…」
ペコリと頭を下げ、カヅキと一緒にコウジの部屋に入るとすでにテーブルに料理を並べて座っているコウジの姿があった。
コウジ「やぁおはよう2人とも。…あれ、ヒロはまだ?」
カヅキ「来てないのか…寝てんのかな。」
いつもはコウジの隣に座っているはずのヒロの姿が今日はどこにも見えない。
カヅキ「あいつぅ………よしA!起こしに行くぞ!」
A「えっ…」
ぎゅっと手を握られ強引に部屋から連れ出される。そのまま真っ直ぐヒロの部屋に向かうとカヅキはドアの前でピタリと止まった。
A「あの、カヅキさん…?」
カヅキ「なぁ、寝起きドッキリしよーぜっ!」
少し小声でカヅキはとんでもないことを言い出した。
A「え、え…!?」
あんなトップアイドルに寝起きドッキリなんてそんな恐れおおいこと…
言う間もなくカヅキはそっとドアを開いた。
起きている気配はなく、部屋はまだ静まりかえっている。
カヅキに手を引かれ音をたてないように部屋に忍び入る。
進んで行くとベッドが見えてきた。そこには横たわるヒロの姿が。
カヅキ「(こそっ)爆睡かよ…」
アイドルの寝顔はやはり綺麗でこの世の者とは思えない。見とれているとカヅキがAに耳打ちをしてきた。
カヅキ「いっせーのーせで思いっきり叫べよ?」
いたずらをするときの小学生のような顔で言ってきたカヅキにAはコクりと頷いた。
カヅキ「いっせーのーせ…」
「「わああっ!!」」
その瞬間、ヒロは跳ね起きた。
ヒロ「はぅああ!?」
勢いよく体を起こしたヒロを見てカヅキはご満悦のようだ。
カヅキ「あははっ!いつまで寝てんだよ!もう飯できてんぞ!」
ヒロ「かっ、カヅキ………」
ヒロは視線を動かし、Aを見つめた。
ヒロ「もーAちゃんいるんならAちゃんが起こしてよ〜。」
カヅキ「俺じゃだめなのかよっ」
私も一緒に叫んだんだけど……
どうやらカヅキの声が大きすぎてAの声は聞こえなかったようだ。
85人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:kiko | 作成日時:2018年7月1日 16時