煌めきを君に

page29 プリズムライブ ページ30

リンクに転んだAは、自分の首もとに目をやった。そこには、雫の形をしたきれいな ネックレスがついている。
Aは昼間に衣装の確認をしていた時の事を思い返した。


ヒロ「Aちゃん、ちょっと後ろ向いて？」

A「え？」

何が始まるのかと思ったが、Aは素直に後ろを向いた。
やがて、首に何かが当たりヒロが声をかけた。

ヒロ「はいっ僕からのプレゼント！これをつけてプリズムショーをしてよ。衣装にも合うでしょ？」

A「わぁ……！ありがとうございます…！」

ヒロ「失敗してもいいんだよ。プリズムショーは、見てくれる人を笑顔にするためにあるからね！それじゃっ。」



ヒロに言われた事を思いだし、Aはゆっくりと立ち上がる。

A「(……見てくれる人を、笑顔に……。そうだ。まだ終われない……！)」

Aはサビの部分をもう一度、アカペラで歌い始めた。

「Ah〜光の中 見えてるシグナル夢なの 手を伸ばせばすぐ 届くきょりね」

コウジ「あ、アカペラで……」

歌に合わせて曲がかかる。Aは
再び煌めきを放ち、周りをプリズムの煌めきで包み込んだ。

すると空の方から何かがひかり、落ちてくる。
Aはジャンプし、その何かを取った。

これは…ピアノ………？

疑問に思いながらリンクにおりる。そして自然に口から言葉がもれた。

「「プリズムラーイブ！」」

そう言いながらピアノをひく。あっという間に雰囲気が変わり、ピアノの音が響き渡った。
リンクを最大限に使い、滑りながら演奏する。

ヒロ「なっ……！プ、プリズムライブ……！？」

カヅキ「う、嘘だろ……」

いきなり始まったプリズムライブに、オバレの３人だけでなく見ていた人みんなが驚いた。
しかし、Aの演奏に心を捕まれ、その驚きもすぐになくなった。


ピアノの演奏を終わらせ、プリズムライブは終わった。見ていた人はみな、Aに大きな拍手を送った。

聖「素晴らしい……！なんという煌めき…！プリズムライブ…！」

コウジ「まさか、プリズムライブまでやるなんて……」

カヅキ「あいつ、ホントすげーよ……」

ヒロ「Aちゃん！」

ヒロはAに駆け寄り、バッと手を握った。

ヒロ「すごい、すごいよ…！最高のショーだった！」

A「ヒロさん……ありがとうございますっ。」

勇気をくれたのはヒロがくれた言葉とネックレスだと言うことは、恥ずかしくてとても言えなかった。

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