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「あ、いたいた、Aさん」
山本さんと榊原さんに案内して頂いている途中。
さっき山本さんが色々説明をしてくださっていた職員さんが、こちらへやって来た。
「採用のことだけどね、ちょうど球団職員の一人が産休で、枠が空いてるんだ。
非正規雇用というか、アルバイトのような形ではあるけど、雇えるかもしれない」
「本当ですか」
「これから話を通すからまだ断定は出来ないけど、
採用の方向で進められると思うよ」
山本さんもいる、ここで働けるなんて、そんなに心強いことはない。
「すっげ、Aちゃん本当にここで働くんだ」
榊原さんが呟いた。
いつの間にか名前呼びだけど、この人はきっと初めからそういう人なんだろうなと思った。
そしてそれが嬉しかった。
「色々と手続きは必要だけどね。
準備とかをしておくから、明日にまた来て貰えるかな」
「分かりました」
私は、ふぅっと息をつき、頭を下げた。
「ありがとうございます」
山本さんを見ると目が合って、彼はニコッと笑ってくれた。
嬉しくて笑顔がこぼれる。
「ちょっと良いですか」
山本さんが職員に声をかける。
「ごめん、案内先行ってて」
「オッケー。食堂行っとくわ」
榊原さんが答えて、そこで2組に分かれた。
ここで、生きていく意味を見つけた人の職場で、働かせて貰えるかもしれない。
(心が、弾んだ)
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かなと - 編集画面の関連キーワード入力の下をよく読みオリジナルフラグをお外し下さい違反です (2019年6月10日 21時) (レス) id: b946a130ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:るる | 作成日時:2019年6月10日 21時