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#43 side
「…私、生きていても良いの?」
Aちゃんは、消えそうな声で尋ねた。
あぁ、なんだ。
俺は心底、飛び降りようとしていたAちゃんを止めて良かったと思った。
これが、Aちゃんの本音だ。
彼女はどうしようもなく生きたがっている。
生きたくて仕方がないけれど、色んな背景や罪の意識から、生きてはいけないと思ってる。
全てはきっと、思うほどに複雑じゃない。
「もしも俺が生きていて良いのなら、
Aちゃんがここにいる意味がある…と思う。
生きていて欲しいんだ。
ここで、俺はAちゃんに生きていて欲しい。」
Aちゃんが、俺の手をぎゅっと握り返した。
その涙は後から後から溢れて来て、
俺まで貰い泣きしそうになってしまった。
そして、繋がれた手を見て強く思った。
(俺は、この子を守り抜かなきゃいけない)
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かなと - 編集画面の関連キーワード入力の下をよく読みオリジナルフラグをお外し下さい違反です (2019年6月10日 21時) (レス) id: b946a130ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:るる | 作成日時:2019年6月10日 21時