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☆195 ページ10

「廉!」


思わず駆け寄って、その頬に手を伸ばそうとしたら、それを廉に振り払われる。



「触らんで」

「………廉」

「早く出ていきなさい。それともデザイナー辞める?」



廉が何かを耐えるように唇を噛んで、目を閉じて、息を吐く。

次に目を開けたときには、いつかの時に見た、無表情で。


でも、叩かれた頬は、真っ赤で。


なにしてるの廉………。





「……すいませんでした…失礼します」



部屋から出ていくその後ろ姿を見て、
泣きそうになる。

なにこれ?なんで?
なんで廉、こんな目に合わなきゃいけないの?

私が会いにきたから?
それとも、



いつもこんなことされてるの………?




「あの、

「幼馴染?知らなかった〜。そんなのいたのね、いつからなの?」

「…家が隣で…………。生まれたときから、廉が高校で上京するまで…」

「あはは!そうなの?廉からそんなの聞いたことなかったわ、全て話せって言ったのに」

「………社長さん、なんですよね」

「知ってるの?」

「廉が、言ってて」

「そう………連絡も取ってたのね。もしかして会ったりもしてた?」

「えっと、あの、」

「はあっ………。あーあ、廉はこんなことしないと思ってたけど。これじゃあショウと一緒じゃない」

「ショウさん…………?」

「あなた、ショウのところで働いてるんでしょう?私のこと聞いてるんじゃないの?」



ふふ、と微笑んだ顔は綺麗で、そして恐ろしい。

私のこと、覚えてたんだ。
あのときショウさんの横にいただけなのに。



「なにも、聞いてないです」

「なーんだ、つまらない。…あ、あの時も廉、嘘ついてたのね…はじめましてなんて。言われてどうだった?」

「…えっ、……び、びっくり…しました」

「そうよねえ、ああ、ほんとうに、





イライラする」



そう言うとおもむろに置物に手を伸ばし、
私の足元へ叩きつけた。



「きゃ………っ!!」



悲鳴をあげてしまう。
ガシャンとバラバラに砕け散る音。
足元に散らばる硝子の破片。

震えが止まらない。
その硝子から、立花さんに視線を戻すと、未だニコニコとしたまま。



「ショウから聞いてないの?じゃあ教えてあげるわよ」

「………やっ……、」

「あの子もそうだったの、ショウは私が見つけた。才能と美貌。すぐにうちの会社に引き入れた。とても従順で気に入ってたのに…」

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設定タグ:永瀬廉 , 平野紫耀 , ジャニーズJr.   
作品ジャンル:恋愛
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◯◯(プロフ) - タイムマシンみたいなコメント欄です( ◠‿◠ ) (7月13日 1時) (レス) id: de6e03f4bf (このIDを非表示/違反報告)
◯◯(プロフ) - 多分昔に2018年から年一ペースで読んでるとかいう書き込みをしたのですが、また読んじゃいました^_^大好きな作品です!!初めて読んだ頃からこんなに時間が経ってるのにびっくりするし、ここに書き込んでる人も大人になったのかなーって想像するだけでわくわくです^ ^ (7月13日 1時) (レス) id: de6e03f4bf (このIDを非表示/違反報告)
莉里(プロフ) - またいつか巡り合ったら読ませていただきます。確実に私のお気に入りの作品です。 (2022年6月25日 3時) (レス) id: fd324481c2 (このIDを非表示/違反報告)
莉里(プロフ) - たまたま検索していたところ、数年ぶりにこちらの作品を見つけました。懐かしな、何回も読み返したな、と思いながら読み始めると4時間ずっと読み続けてました。そして号泣していました。毎回です。こんな素敵な作品が残っていたこと、とても嬉しく思います。 (2022年6月25日 3時) (レス) @page37 id: fd324481c2 (このIDを非表示/違反報告)
ai(プロフ) - ほんと懐かしいな〜とコメント欄を眺めていたら、2017年の際にもしっかりコメントしている自分がいました(笑)この作品は中毒性がありますね。素敵な作品です。 (2021年9月29日 4時) (レス) id: a5a7435db3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆい☆ | 作成日時:2017年1月18日 12時

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