☆（2） ページ29
「ここどこやねん」
「わかんない！」
「はあ？自分、地元やろうが！」
「だ、だって普段は決まったところしか行かないし…タクシーに乗るから道もわからないし…」
人が溢れる街中、立ち尽くす私達2人。
わからない。
ここ、どこ。
携帯の地図アプリを開くも、方向がよくわからず断念。
「もうええわ、そこのカフェ入ろ」
「やった！ケーキ頼んでいい？」
「自腹な」
カフェに入って注文して、目の前でスマホをいじる男の子を初めてきちんと見る。
黒髪、大きなタレ目、口角の上がった口、真っ白な肌。
わ、かわいい顔してる。
「女の子みたい…」
思わず呟く。
「せやろ？俺、かわいいんよな〜」
「……」
「奥さんより可愛い夫…ごめんな…」
「…結婚、するの？」
「え、するやろ？」
「嫌じゃないの？」
「……この決定、俺が口出しすることちゃうし」
そうだ、けど。そうだけど。
やっぱり嫌なのかな。
だよね、私だってそうだもん。
自由に恋愛して結婚するつもりだったんだもん。
それより気になるのは、
「キョロキョロしすぎじゃない？」
「……えっ？」
「そんなに気になるものがあるの？あ、それとも人が多いとか？大阪より東京の方が人多いってほんと？」
「あ、いや………、知り合い、おるから。東京に。もしかしたら会えるかもって……ほら、ケーキ来たで」
ふわふわのケーキがやってきて、思わず笑顔になる。
うん、おいしい！
ここのお店は来たことなかったけど、今度講義のあとにお友達とまた来ようっと！
……あ。退学するんだった。
ケーキが来た嬉しい気持ちが萎んでって、悲しくなる。
お友達とも、さよならしなきゃ…。
そんな感じでケーキを食べて、店を出る。
適当に少しブラブラ歩いたらもう帰ろうということになった。
この歳で結婚することになるなんて…。
まだ信じられない。
はあ、いやだな。
そんな事を考えていて、はっとしたら近くに男の子の姿がなかった。
ええどうしよう！はぐれちゃったのかな。
名前を呼ぼうとして……、、、
そっか、名前、わかんないや。
多分最初の挨拶で言ってたと思うけど…ちゃんと聞いてなかったから。
電話番号も、まだ交換してないし。
とりあえず辺りを見て回るけど、それらしき姿はない。
ママに電話した方が解決するかも…。そう思って電話をかけようとしたら、金髪の男の人に声をかけられた。
「ひとり？」
「えっと…、はぐれちゃったみたいで」
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◯◯(プロフ) - タイムマシンみたいなコメント欄です( ◠‿◠ ) (7月13日 1時) (
レス) id: de6e03f4bf (このIDを非表示/違反報告)
◯◯(プロフ) - 多分昔に2018年から年一ペースで読んでるとかいう書き込みをしたのですが、また読んじゃいました^_^大好きな作品です！！初めて読んだ頃からこんなに時間が経ってるのにびっくりするし、ここに書き込んでる人も大人になったのかなーって想像するだけでわくわくです^ ^ (7月13日 1時) (レス) id: de6e03f4bf (このIDを非表示/違反報告)
莉里(プロフ) - またいつか巡り合ったら読ませていただきます。確実に私のお気に入りの作品です。 (2022年6月25日 3時) (レス) id: fd324481c2 (このIDを非表示/違反報告)
莉里(プロフ) - たまたま検索していたところ、数年ぶりにこちらの作品を見つけました。懐かしな、何回も読み返したな、と思いながら読み始めると4時間ずっと読み続けてました。そして号泣していました。毎回です。こんな素敵な作品が残っていたこと、とても嬉しく思います。 (2022年6月25日 3時) (レス) @page37 id: fd324481c2 (このIDを非表示/違反報告)
ai(プロフ) - ほんと懐かしいな〜とコメント欄を眺めていたら、2017年の際にもしっかりコメントしている自分がいました（笑）この作品は中毒性がありますね。素敵な作品です。 (2021年9月29日 4時) (レス) id: a5a7435db3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆい☆
| 作成日時：2017年1月18日 12時
