☆198 ページ13
「自分のやったことわかってる？嘘ついてたって簡単に言うけど」
「すいませんでした」
「もう2度としないって、どんな保証が？」
「すいません、本当にもうしません」
やっと顔を上げた廉と、視線が合う。
心配そうに、私を見る、その表情。
昔と、なんら変わりない瞳。
大丈夫だよ私は…。
私はなにもされてないよ？
叩かれてるのは廉でしょう？
私のことばっかり。
犠牲になるのはいつも廉。
どうしよう。
泣くことしかできないなんて。
嗚咽が漏れそうになるのを必死に耐えながら、零れ落ちる涙を手で隠す。
泣いたらダメ、
また廉が心配する。
そう思えば思うほど、止まらなくて。
「なにその目。そんなに、その子のこと大事なの？廉」
「…え？」
「呆れた、………。私でしょう？廉が見るべきなのは私なの！」
「……」
「なんで私にはそんな目をするの！なんで！……どいつもこいつも私を見てくれない……。こんなに色々やってあげてるじゃない！」
立花さんが、ドンと廉の体を押す。
廉は気を抜いていたのか、バランスを崩して倒れていく。
その先にあるのは、先程の硝子の破片。
廉が怪我しちゃう。
そう思ったら、条件反射みたいに。気づいたら、動いてた。
倒れこむ廉を受け止める。
そのまま横向きに床に落ちた。
「…いっ……、」
「………A…？」
床に打ち付けた体が痛い。
それから、数カ所、なんだかジクジクと熱い。
すぐに廉が起き上がって、私を覗き込むと、
目をまん丸にして、恐る恐る、私の顔に触れた。
離した廉の指先には、赤い色。
「A？は、なんで、…血、なんで、………なにやってんねん！」
「…廉は？大丈夫？」
「アホ！！！！！アホやろ自分、なにやってんの、…かお、顔やぞお前！！！顔に硝子が……、お前女やろうが！！！アホか！！！」
大声、というよりは、もう叫ぶみたいに、廉が怒っている。
それでも、私の顔を撫で続ける手は震えてても、優しくて。
「立花さん、救急車呼んでください」
「……私、ただ、廉が言うこと聞いてくれないから、…こんなことになるなんて、
「そんなんどうでもええわ！はよ呼べや！！！」
真っ青になって電話をかける立花さん。
…なんだ、ちゃんと人間なんじゃん。
動じないかと思ってたけど、そんなことなかった。
立花さんがあんな風になっちゃったのは、なにか理由があるのかなあ。
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◯◯(プロフ) - タイムマシンみたいなコメント欄です( ◠‿◠ ) (7月13日 1時) (
レス) id: de6e03f4bf (このIDを非表示/違反報告)
◯◯(プロフ) - 多分昔に2018年から年一ペースで読んでるとかいう書き込みをしたのですが、また読んじゃいました^_^大好きな作品です！！初めて読んだ頃からこんなに時間が経ってるのにびっくりするし、ここに書き込んでる人も大人になったのかなーって想像するだけでわくわくです^ ^ (7月13日 1時) (レス) id: de6e03f4bf (このIDを非表示/違反報告)
莉里(プロフ) - またいつか巡り合ったら読ませていただきます。確実に私のお気に入りの作品です。 (2022年6月25日 3時) (レス) id: fd324481c2 (このIDを非表示/違反報告)
莉里(プロフ) - たまたま検索していたところ、数年ぶりにこちらの作品を見つけました。懐かしな、何回も読み返したな、と思いながら読み始めると4時間ずっと読み続けてました。そして号泣していました。毎回です。こんな素敵な作品が残っていたこと、とても嬉しく思います。 (2022年6月25日 3時) (レス) @page37 id: fd324481c2 (このIDを非表示/違反報告)
ai(プロフ) - ほんと懐かしいな〜とコメント欄を眺めていたら、2017年の際にもしっかりコメントしている自分がいました（笑）この作品は中毒性がありますね。素敵な作品です。 (2021年9月29日 4時) (レス) id: a5a7435db3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆい☆
| 作成日時：2017年1月18日 12時
