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「知り合いのデザイナーがいるから、その人に洋服見繕ってもらお？」
「わ！ちょっと！そこまでしなくたっていいですよ！！」
「遠慮しなくていーって、ほらAの成人式、あのときの着物貸してくれたデザイナーさん」
「ああ！…いや、でも…成人式とかいうわけじゃないですし、申し訳ないですよ…」
「とりあえず電話して聞いてみようね」
ケイタイ画面をスクロールして、
電話し始める。
いくつか言葉を交わして、すぐに切った。
「全然オッケーだってさ、住所教えたら、居る場所近いから今から此処来るって」
「来る？何しに？」
「寸法？」
「そんな大掛かりな！」
「まあまあ落ち着いて」
「誰のせいだと！」
「うふ〜」
ショウさんのせいなのに…
いきなりデザイナーさんとか持ち出してくるから…
知り合いって言ったって、こんなめちゃくちゃ個人的な用事を頼むのは申し訳なさすぎる。
成人式のときの着物…すっごく素敵だったのを覚えてる。小物とかも貸してもらって。
どうせ会うなら、ちゃんとお礼言わなきゃ。
「…ん？知り合いのデザイナーさん？」
「そ、前仕事してたときの社交界で出会って〜」
「連絡先、知らないってさっき。」
「………」
「ケイタイ捨てたからわかんないんじゃなかったとかなんとか」
「………うん、嘘ついた。ごめんね。でも、他の人のは本当にわかんないよ。この人のだけは覚えてたの」
「…本当に？」
「当時、何度電話してたかなあ。…たくさん、電話してたから、自然と番号覚えてたみたいでさ」
そう言って話をするショウさんが、妙に、
苦しそうで。悲しそうで。
違和感が。
なんと、言っていいのか。
迷っていたら、チャイムが鳴って、ショウさんは玄関へ行ってしまった。
「紹介するね、大学の後輩で今事務所手伝ってもらってる、A」
「はじめまして、えと、成人式の着物の件では、お世話になりました。助かりました！」
「こちらこそ、気に入ってもらえとったみたいで嬉しいわ、よかったあ」
「…関西の、方？」
「うふふ、そやで〜」
にこりと笑って顔を傾ければ、
肩上までの真っ直ぐな黒髪が揺れる。
綺麗な人だ。
でも、笑った顔は人懐っこさも持ち合わせていて。
ショウさんは、そんな笑顔をじいっと見つめている。
まただ、違和感。
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れー。 - トラウマになりそうなほどに切なく物語を思い出すだけで胸が締め付けられます。こんなに感情が動いた作品は今まで読んできた小説で圧倒的に一番です。映画やドラマにしてほしいほどこの小説に惹かれてしまいました。大好きな作品です！ (2018年6月27日 10時) (
レス) id: 4792958e4f (このIDを非表示/違反報告)
まお(プロフ) - 一番好きな作品です！！もう、10回ぐらいは読み返しました笑 定期的に見たくなります！ (2018年4月1日 0時) (レス) id: 7fb9479a8f (このIDを非表示/違反報告)
夏 - あー、頭がどうにも可笑しくなりそうです笑この作品を見ると、生まれた場所の東京と今居る田舎の県と、交わって感情移入がしやすいです。教えてくれたあの子に感謝。 (2017年1月21日 8時) (レス) id: ec0b94023c (このIDを非表示/違反報告)
むむ(プロフ) - この作品が占ﾂｸで一番好きです！いきものがかりさんのラストシーンにぴったりでこの曲をきくとこの作品を思い出してなきそうになります。お勉強頑張って下さい！ (2017年1月18日 20時) (レス) id: 092114e7d9 (このIDを非表示/違反報告)
なっぴぴ(プロフ) - 更新されててすごいびっくりしました！ほんとにうらつくの中で1番好きな作品です>_< (2017年1月18日 13時) (レス) id: d6fe05cabb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆい☆
| 作成日時：2015年12月29日 10時
