☆174 ページ39
「あそーだ、そんなことよりさあ」
やっぱり口の中に食べ物を入れたまま、ショウさんがしゃべる。
ていうか、そんなことって！
私なりに結構気にしてたのに。
ショウさん、いつもと明らかに雰囲気違ったし。
「今度大阪出張あるんだけど、くる？」
「私も？」
「息抜きにでもすればいーじゃん、交通費は経費で落としちゃっていいから」
「それ、いつですか」
「来週の週末かなあ。どうしても直接会って打ち合わせしたい仕事があって」
「じゃあ行きます」
「ほんと？助かる〜新幹線こわくて」
「どうせそんなことだろうと思いました！」
「仕方ないやん！こわいもんはこわい！！！」
「ショウさん1人で行かせたら、東京駅からで迷子になって終わりですよ…」
久しぶりに、こんな普通に話してるかもしれない。
そもそも、廉に再会した日から、
どうしたってショウさんを男として意識してしまってて、それに発車をかけるように見透かされるのを恐れて、避けて。
そんなんだったから、
またこうやって話せてるのが嬉しい。
そうだ、これが本来の距離感なのに。
一緒にいて楽で、ほっとして。
それが私とショウさんの関係だったのに。
「そんなこという口は、こうだぞー！」
「あは、やめ、やめてくださいよー！」
「まてー！逃げんじゃねー！」
「やだー！追いかけてこないでー！」
家の中なのに、本気の追いかけっこ。
リビングの机の周りをぐるぐる。
しばらく向かい合ってたけど、気を抜いた一瞬で詰め寄られた。
足速い！
きっとショウさん、めちゃくちゃ運動神経、いい。
あっという間に、ぽーいてソファに向かって投げられて、捕まる。
「しゃー！勝利〜！！」
「ぜーぜー…はー…なんなんですか…もう…」
「なに」
「疲れましたあ！ショウさんなんで息切れてないんですか！」
「Aちょろいもんだもん」
ソファでぐったりしてる私と
その前に仁王立ちしてるショウさん。
目があって、
どちらともなく笑い合う。
ほんと、なにやってんだ。
「あははは、変なの」
「そもそもね、Aが逃げるから」
「違いますよ、ショウさんが追っかけてくるから」
さっきまでのショウさんのガチな表情を思い出して、また、ぷくくと笑ってたら、
優しい目で、みられる。
「ちゃんと笑えるじゃん」
「…」
「心配して損した！」
…それで？
わざわざ、家に来てくれたのだろうか。
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れー。 - トラウマになりそうなほどに切なく物語を思い出すだけで胸が締め付けられます。こんなに感情が動いた作品は今まで読んできた小説で圧倒的に一番です。映画やドラマにしてほしいほどこの小説に惹かれてしまいました。大好きな作品です！ (2018年6月27日 10時) (
レス) id: 4792958e4f (このIDを非表示/違反報告)
まお(プロフ) - 一番好きな作品です！！もう、10回ぐらいは読み返しました笑 定期的に見たくなります！ (2018年4月1日 0時) (レス) id: 7fb9479a8f (このIDを非表示/違反報告)
夏 - あー、頭がどうにも可笑しくなりそうです笑この作品を見ると、生まれた場所の東京と今居る田舎の県と、交わって感情移入がしやすいです。教えてくれたあの子に感謝。 (2017年1月21日 8時) (レス) id: ec0b94023c (このIDを非表示/違反報告)
むむ(プロフ) - この作品が占ﾂｸで一番好きです！いきものがかりさんのラストシーンにぴったりでこの曲をきくとこの作品を思い出してなきそうになります。お勉強頑張って下さい！ (2017年1月18日 20時) (レス) id: 092114e7d9 (このIDを非表示/違反報告)
なっぴぴ(プロフ) - 更新されててすごいびっくりしました！ほんとにうらつくの中で1番好きな作品です>_< (2017年1月18日 13時) (レス) id: d6fe05cabb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆい☆
| 作成日時：2015年12月29日 10時
