其ノ玖拾壱 ページ48
Noside
「!」
けたましいクラクションに目を開けると、そこは元いた交差点の真ん中だった。
突如現れた敦や奥の部屋で囚われていた人達が倒れ込でいる様子を周囲の人達が遠巻きに見ている。
「はっ……!」
敦は道の向こうにルーシーを見付ける。
打ちひしがれた様子で座り込んでいるルーシーに歩み寄り、敦は声をかけた。
「……ごめん。若し……何か僕に──」
「……っ!」
涙を浮かべたルーシーは、敦を睨んだ後、何も云わずに走り去ってしまった。
「…………」
そのルーシーの姿に視線を落とす敦。
だが、そんな状況はお構いなしに、白衣の男と白パーカーの少女が安堵ともとれる叫び声をあげた。
「あああっ、エリスちゃん!」
「っ!涙くん!」
見れば、二人の傍に幼い少女と少年がいる。
「大丈夫だったかい?何処に行ってたのだい?
心配したのだよう、突然居なくなるから。」
「急に消えたら、リンタロウが心配すると思って。」
「そうだよ。心配したよう。泣くかと思ったよう。」
泣きながら、返答する白衣の男。
そんな男に少女は、悪びれもなくこう告げた。
「そしたら泣かせたくなった。」
「
でも可愛いから許す!」
そんな白衣の男を呆れた様子で見ていた白パーカーの少女は、静かに少年と向き合った。
「……私も心配したんだよ、涙くん。」
「済まない……エリスに付き合っていた。」
「そんなトコだろうとは思ってたけど……
まぁ、無事で何よりだよ。」
「……Aは、大丈夫だったのか?」
「勿論。見ての通り無傷だよ。」
「そうか。それは良かった。」
四人のやり取りを何気なく見ていると、敦の背中に何かが当たる感覚がした。
「わっ……鏡花ちゃん!迎えに来てくれたの?」
「……心配した。」
「ありがとう。」
鏡花と話していると、白衣の男に声をかけられる。
169人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
舞花 ひめ(プロフ) - るぅとさん» 有難う御座います!そう云って頂けると私も頑張れます!これからも応援、宜しくお願い致します。 (2019年8月22日 7時) (レス) id: 6d7eb9b273 (このIDを非表示/違反報告)
るぅと(プロフ) - 更新お疲れ様です!! ご自分のペースでいいので頑張ってくださいっ (2019年8月18日 22時) (レス) id: 4ba8ceef5d (このIDを非表示/違反報告)
舞花 ひめ(プロフ) - いずなさん» 有難う御座います!楽しみにして下さってる皆様の為にも、引き続き頑張って行きますので、これからも宜しく御願い致します。 (2019年7月8日 6時) (レス) id: 052a536090 (このIDを非表示/違反報告)
いずな - この物語面白いです!忙しいと思いますが更新頑張ってください!続き楽しみに待っています (2019年7月6日 2時) (レス) id: f5ee51c946 (このIDを非表示/違反報告)
舞花 ひめ(プロフ) - ▼とあるヰ琉兎さん» 有難う御座います!更新頻度が落ちないよう努力していくので、これからも応援、宜しく御願い致します。 (2019年6月1日 18時) (レス) id: 90e19b9523 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:舞花 ひめ | 作成日時:2019年6月1日 8時