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其ノ捌拾弐 ページ39

Noside

「……はぁ。」

沈黙を先に破ったのは、溜息をついた中也だった。

「仕方ねェ。教えてやるよ。」

「本当か!」

「ただ、今日はもう帰って寝ろ。
餓鬼はもう寝る時間だろ?」

「俺は餓鬼じゃない。」

「涙香……手前、歳は?」

「15だ。」

「まだまだ餓鬼じゃねェか。
さっさと寝ろ!身長伸びなくなるぞ。」

「っ!それは、本当か?」

「嗚呼。俺が云うんだから間違いねェ。」

「それは一大事だ。直ぐに寝よう。……有難うな、中原。」

「気にすんな。」

「じゃあ、またな。」

「おう。」

涙香はその後、自室に戻り、中也に云われた通り直ぐに寝た。



次の日。

「涙くん、おはよう。」

「っ!A!」

珍しく、Aの方が涙香の部屋を訪れていた。

「これ、忘れて行ってたよ。」

そう云って、Aは涙香に携帯を差し出す。

「あ、嗚呼……有難う。」

その携帯をゆっくりと受け取る、涙香。

自室にAが居ることが信じられず、自らの頬を抓る。

「……痛い。」

「ちょっと、涙くん!?もう、抓らないの!
涙くんの綺麗な肌に跡が残っちゃうでしょ!」

Aは涙香を落ち着かせて、ソファーに腰を降ろす。

紅茶を淹れている涙香に、Aは話しかける。

「今日は、幹部への挨拶の続きをしようと思う。」

「挨拶の続き?」

「姐さん以外の幹部で昨日戻って来た奴が居てさ。
其奴に涙くんを紹介しに行きたいの。」

「判った。」

紅茶を飲み終えた二人は、その幹部の元へ向かった。


「……そうか。
そう云えば、中原は幹部だったな。」

「手前の云ってた事は嘘じゃ無かったみてェだな、涙香。」

「まだ疑ってたのか?」

「そんなんじゃねェよ。」

「……何で二人は、仲良さげに話してるのさ?」

中也と涙香は、一斉にAの方へ顔を向ける。

Aは、幹部である中也に涙香を紹介しようと思い、連れて来たのだが……

「その必要、無かったかな?ま、一応自己紹介しとく?」

「嗚呼。改めて、黒岩涙香だ。宜しく頼む。」

「ポートマフィア幹部、中原中也だ。宜しくな、涙香。」

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舞花 ひめ(プロフ) - るぅとさん» 有難う御座います!そう云って頂けると私も頑張れます!これからも応援、宜しくお願い致します。 (2019年8月22日 7時) (レス) id: 6d7eb9b273 (このIDを非表示/違反報告)
るぅと(プロフ) - 更新お疲れ様です!! ご自分のペースでいいので頑張ってくださいっ (2019年8月18日 22時) (レス) id: 4ba8ceef5d (このIDを非表示/違反報告)
舞花 ひめ(プロフ) - いずなさん» 有難う御座います!楽しみにして下さってる皆様の為にも、引き続き頑張って行きますので、これからも宜しく御願い致します。 (2019年7月8日 6時) (レス) id: 052a536090 (このIDを非表示/違反報告)
いずな - この物語面白いです!忙しいと思いますが更新頑張ってください!続き楽しみに待っています (2019年7月6日 2時) (レス) id: f5ee51c946 (このIDを非表示/違反報告)
舞花 ひめ(プロフ) - ▼とあるヰ琉兎さん» 有難う御座います!更新頻度が落ちないよう努力していくので、これからも応援、宜しく御願い致します。 (2019年6月1日 18時) (レス) id: 90e19b9523 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:舞花 ひめ | 作成日時:2019年6月1日 8時

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