其ノ漆拾参 ページ30
Noside
「(……思ったより、重傷だ。
でも、やれるだけの事はしなくちゃ……)」
Aは一通りの救命処置を行い、樋口を待とうとした。
然し……
��ゴォォォォ��
「っ！！このエンジン音……樋口ちゃん、もう来たのか。」
救命処置が十分に済んでいないのに、樋口が来てしまったのだ。
「でも、これでもう安心かな。取り敢えず、フードを……」
顔を隠そうとするが、長い髪が云う事を聞かず、フードを被るのは難航した。
遠くに、樋口が乗ったモーターボートが見える。
「仕方無い……頼んだよ、樋口ちゃん。」
Aは芥川を残し、一人海へと潜る。
その後、樋口が乗ってきたモーターボートの影と同化した。
「芥川先輩っ！！」
樋口は、海に浮かぶ芥川の姿を見て、直ぐ様飛び込んだ。
「これは……？」
樋口は、救出した芥川の傍らに、携帯が沈みかけているのを見付けた。
「(先輩の物かもしれないし、拾っておこう。)」
芥川をモーターボートに乗せた樋口は、ポートマフィア本部に急いだ。
救護班に芥川を任せ、暫くすると、診断結果の書かれた書類が手渡された。
それを見た瞬間、涙が出そうになったが、自身の仕事を思い出し、思い留まった。
その紙と、本来芥川が纏める筈だった人虎捕獲についての資料を纏め、首領室を目指す樋口。
その途中、涙香と遭遇した。
「涙香さん……Aさんは見付かりましたか？」
「嗚呼。何故かびしょ濡れになって帰って来た。
今は、風呂で躯を温めている。」
「そう……ですか。」
「ん？如何かしたか？」
「……Aさんは、芥川先輩があの様な深手を負うと判っていたのでしょうか？」
「少なくとも、予想はしていただろうな。
そうでなければ、事前に俺に指示を出して樋口を海へ向かわせる事は出来ない。」
「……なら、何でご自身で芥川先輩を助けなかったんですか？」
「判らない……だが、Aの事だ。
何かしらの考えあっての事だろう。」
「もし、そうだとしても……」
樋口は、拳を強く握り締める。
「まぁ、樋口の気持ちは判らなくも無い。
俺も、芥川が、Aが深手を負う事を判っていて放っておいた、なんて云えば……彼奴を殴っている。
例えそれが、何かしらの策略だったとしてもな。」
「…………」
「兎に角、Aと話してみろ。」
「はい…………それでは、私は首領への報告あるので。」
「嗚呼、またな。」
「ええ、また。」
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舞花 ひめ(プロフ) - るぅとさん» 有難う御座います！そう云って頂けると私も頑張れます！これからも応援、宜しくお願い致します。 (2019年8月22日 7時) (
レス) id: 6d7eb9b273 (このIDを非表示/違反報告)
るぅと(プロフ) - 更新お疲れ様です！！ ご自分のペースでいいので頑張ってくださいっ (2019年8月18日 22時) (レス) id: 4ba8ceef5d (このIDを非表示/違反報告)
舞花 ひめ(プロフ) - いずなさん» 有難う御座います！楽しみにして下さってる皆様の為にも、引き続き頑張って行きますので、これからも宜しく御願い致します。 (2019年7月8日 6時) (レス) id: 052a536090 (このIDを非表示/違反報告)
いずな - この物語面白いです！忙しいと思いますが更新頑張ってください！続き楽しみに待っています (2019年7月6日 2時) (レス) id: f5ee51c946 (このIDを非表示/違反報告)
舞花 ひめ(プロフ) - ▼とあるヰ琉兎さん» 有難う御座います！更新頻度が落ちないよう努力していくので、これからも応援、宜しく御願い致します。 (2019年6月1日 18時) (レス) id: 90e19b9523 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：舞花 ひめ | 作成日時：2019年6月1日 8時
