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其ノ陸拾 ページ17

Noside

敦は国木田に指示され、鏡花を屯所に連れて行こうとしていた。

然し、鏡花に気付かれないようにしようとした余り、それは完全にデートと化していた。

彼女のペースに巻き込まれ、敦は少し疲れた様子である。

「もう一つ、行きたい処がある。」

「(凄い行動力だ……
大事な目的地を忘れてる気がするけど。)」

「あそこ。」

鏡花が指す建物を見る敦。

そこは軍警の派出所だった。

「!」

「もう十分楽しんだから。」

「でも!捕まれば君は死罪で──」

「マフィアに戻っても処刑される。それに──
35人殺した私は、生きていることが罪だから。」

「…………」

苦悩の表情をする敦。

鏡花を助けるべきか、国木田の云う通り見捨てるべきか。

ついに意を決したような表情で前を向き、口を開いた瞬間──

「ゲホッ」

「!?」

「処刑?処刑などせぬ。お前は任務を為果てた。」

「あ……」

その背後にいつのまにか立っていた芥川の羅生門が、敦を貫いていた。

「おい!何をしている!」

派出所の警官が騒ぎを聞きつけ姿を現すが……

他の車の新入を防ぐように敦達の周囲を囲った、ポートマフィアの銃撃によって倒れてしまう。

「お前の任務は『餌』
……お前には発信機が埋め込んである。居所は筒抜けだ。」

「!」

倒れた敦の躯を、まるで巨大な猛禽類の爪が捕らえるように羅生門が掴みあげ、トラックのコンテナに放り込む。

「けほっ」

「…………」

「帰るぞ。」



傷ついた敦が独り、コンテナの中で倒れている。

「うっ……」

微かに目を開け、室内の様子を探る。

「(ここは……?……移動してる。)」

ゴウン、ゴウン、という深く重い震動が聞こえてくる。

「(この音は何だ……?)」

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舞花 ひめ(プロフ) - るぅとさん» 有難う御座います!そう云って頂けると私も頑張れます!これからも応援、宜しくお願い致します。 (2019年8月22日 7時) (レス) id: 6d7eb9b273 (このIDを非表示/違反報告)
るぅと(プロフ) - 更新お疲れ様です!! ご自分のペースでいいので頑張ってくださいっ (2019年8月18日 22時) (レス) id: 4ba8ceef5d (このIDを非表示/違反報告)
舞花 ひめ(プロフ) - いずなさん» 有難う御座います!楽しみにして下さってる皆様の為にも、引き続き頑張って行きますので、これからも宜しく御願い致します。 (2019年7月8日 6時) (レス) id: 052a536090 (このIDを非表示/違反報告)
いずな - この物語面白いです!忙しいと思いますが更新頑張ってください!続き楽しみに待っています (2019年7月6日 2時) (レス) id: f5ee51c946 (このIDを非表示/違反報告)
舞花 ひめ(プロフ) - ▼とあるヰ琉兎さん» 有難う御座います!更新頻度が落ちないよう努力していくので、これからも応援、宜しく御願い致します。 (2019年6月1日 18時) (レス) id: 90e19b9523 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:舞花 ひめ | 作成日時:2019年6月1日 8時

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