其ノ参拾伍 ページ37
Aside
「有難ね、龍くん。お陰で、良い買い物が出来たよ。」
「……良かったな。
どんな奴かは知らぬが、きっと涙香も喜ぶ。」
「なら、良いんだけど……この後如何しようか?
報告も、買い物も、話し合いもした……
龍くん、したいことある?」
「そうだな……ならば、小一時間程時間をくれぬか?」
「別行動ってこと?」
「嗚呼……したい事がある。」
……何だろ?
物凄く気になるけど……
「丁度良かった。私も、したい事があったんだよねぇ。
じゃあ、一時間後に落ち合おう。
場所は、その時に連絡すれば良いでしょ?」
こうして、私と龍くんは別行動をとる事になった。
「却説と……」
先ずは、可愛い部下をどうにかしないとね。
人気の無さそうな路地裏に適当に入り、それと同時に影と同化する。
暫くすると、私を追い掛けて来た涙くんが現れる。
私を見失って動揺している彼の肩を後ろから叩く。
涙くんは、私を見て目を見開いた。
「あはははっ。そんなに驚かなくったって良いのに。」
「何時から気付いてたんだ?」
「最初からだね。
君
外出て振り返ったら案の定って感じかな。」
「流石だな。」
「別に、大した事じゃ無いよ。」
話し乍、取り敢えず路地裏を出る。
「尾行の事、怒らないであげるから付き合って。」
私と涙くんは、ブティックに戻った。
「今日のお礼に、龍くんにも贈答品しようと思って。」
「芥川
あっ、拙い。
「……と云うことは、今日買ってた外套は、誰かへの贈答品なのか?」
「まぁね。」
「誰へのだ?」
「内緒。」
少し寂しそうな顔をする涙くんに罪悪感を抱きつつ、龍くんの贈答品選びを始める。
涙くんも相談に乗ってくれ、すんなり決まった。
買ったのは、龍くんが何時も着ているような黒の長外套。
「有難う、涙くん。」
「いや、俺は何もしてない。」
「謙虚は日本人の美徳だけど、私はあまり好まないなぁ。」
私は、涙くんの頭を優しく撫でる。
「で、涙くんはこの後如何するの?」
涙くんは、撫でられたまま思案する。
あんまり良い案が出てこなさそうだったから、
「取り敢えず、樋口ちゃんに連絡してみれば?」
そう助言してあげる。
「……連絡を取る手段がない。」
「なら、私の携帯貸してあげるよ。」
携帯を差し出すと、涙くんは素直に受け取って操作を始める。
……今度、携帯買ってあげよう。
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舞花 ひめ(プロフ) - 櫻色華伝さん» コメント有難う御座います!涙香くん、可愛いですよね!私もデレデレしながら書いてます(( これからも頑張って更新させて頂くので、これからも宜しくお願い致します。 (2020年1月8日 10時) (レス) id: 56c3681e86 (このIDを非表示/違反報告)
櫻色華伝(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!夢主(私は累-かさね-ちゃんとしてます)LOVEの涙香くん可愛すぎる!応援してます。更新頑張ってください! (2020年1月7日 15時) (レス) id: bb11e6ace8 (このIDを非表示/違反報告)
舞花 ひめ(プロフ) - ▼とあるヰ琉兎さん» 有難う御座います!頑張って更新させて頂くので、楽しんで頂ければ幸いです!▼とあるヰ琉兎さんも、頑張って下さい!応援してます! (2019年4月3日 22時) (レス) id: 95f7a369ce (このIDを非表示/違反報告)
▼とあるヰ琉兎(プロフ) - 首領の意味深な発言や芥川との関係が良かったです!!この先どう進んでいくか気になります。更新楽しみにしてます!!これからも、応援してます(´ω`*) (2019年4月3日 21時) (レス) id: ff0f774975 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:舞花 ひめ | 作成日時:2019年3月1日 7時