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其ノ拾弐 ページ13

Noside

「零細探偵社ごときが!
我らはこの街の暗部そのもの!
傘下の団体企業は数十を数え、この街の政治、経済の悉くに根を張る!
たかが十数人の探偵社ごとき、三日と待たずに事務所ごと灰と消える!
我らに逆らって、生き残った者などいないのだぞ!」

「知ってるよ、その位。」

「然り。外の誰より、貴方はそれを悉知している。」

太宰の暗く透徹な目。

「──元マフィアの太宰さん。」

太宰は不敵な笑みを浮かべて、辺りを見回す。

「それとさ……居るんでしょ、A?」

其の名を聞いて、芥川も焦ったように周りを気にしだす。

樋口のみは、状況が理解出来ず、混乱している。

その時……突如、影が(うごめ)きだした。

影は太宰と芥川の間に集まるように動き、やがて一つに纏まる。

暫くの間の後、纏まった影が徐々に散り、その中から一人の少女が出てきた。

フードを深く被った、全身真っ白な少女が……

「久しぶりだねェ、A。
若しかして、この作戦の立案者は君かい?」

少女の顔は見えないが、口元から見るに不機嫌そうだ。

ハッとした樋口は、警戒態勢を取る。

「無駄だ。彼女は此方(こちら)側の人間だからな。」

「……龍くん。樋口ちゃん連れて、先に帰って。」

自らの名を知られていたことより、芥川を『龍くん』と気軽に呼ぶことに樋口は驚いていた。

同時に、其の少女を前に恐怖を感じていた。

理由は樋口自身も判らなかったが、純白の彼女の持つオーラが、マフィア独特の真っ黒なものであることは確かだった。

「判りました。樋口、帰るぞ。」

「は、はい。」

混乱したまま樋口は芥川と共に路地裏から姿を消した。

「それで?先刻の質問の答えは?」

「答える義理はありません。」

彼女は全く別人のようなキツい口調になっている。

「……昔は、もっと可愛げがあったのに。」

五月蝿(うるさ)いですねぇ。
どうせ相変わらずの、自 殺趣味でしょう?」

「君だって……
相変わらず、趣味は殺戮、戦闘、拷問かい?」

「はい、勿論です。」

「即答か……それにしても、本当に変わったね。」

「貴方こそ。」

噛み合ってるのか、噛み合って無いのか判り兼ねる、微妙な会話を続ける二人。

その時、敦が小さく呻き声をあげた。

「……其の少年。」

Aが敦を目線で捉えながら云う。

「大切にして下さいよ?」

それだけ云うと、彼女は再び影と同化した。

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舞花 ひめ(プロフ) - 櫻色華伝さん» コメント有難う御座います!涙香くん、可愛いですよね!私もデレデレしながら書いてます(( これからも頑張って更新させて頂くので、これからも宜しくお願い致します。 (2020年1月8日 10時) (レス) id: 56c3681e86 (このIDを非表示/違反報告)
櫻色華伝(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!夢主(私は累-かさね-ちゃんとしてます)LOVEの涙香くん可愛すぎる!応援してます。更新頑張ってください! (2020年1月7日 15時) (レス) id: bb11e6ace8 (このIDを非表示/違反報告)
舞花 ひめ(プロフ) - ▼とあるヰ琉兎さん» 有難う御座います!頑張って更新させて頂くので、楽しんで頂ければ幸いです!▼とあるヰ琉兎さんも、頑張って下さい!応援してます! (2019年4月3日 22時) (レス) id: 95f7a369ce (このIDを非表示/違反報告)
▼とあるヰ琉兎(プロフ) - 首領の意味深な発言や芥川との関係が良かったです!!この先どう進んでいくか気になります。更新楽しみにしてます!!これからも、応援してます(´ω`*) (2019年4月3日 21時) (レス) id: ff0f774975 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:舞花 ひめ | 作成日時:2019年3月1日 7時

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