【ジョジョ4部】蠱惑的インクルージョン (ページ20)

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「時期的に考えて、スタンド使いになる前か」
「タイミングがずれてたら、由花子さんが私のスタンドを見つけてたかもしれないんだね」
「あんましゾッとしねー話だけどな。A、お前に一つ言っとくぜ。いいか、スタンド使いは引かれ合う。意図しなくても、スタンド使いの周りにはスタンド使いが集まってくるって話だ。由花子みてーに今はダチでも、最初は危ねェ奴っつーこともある。脅かすつもりじゃあねーんだけどよォ、気ィ付けといた方がいいぜ」
「仗助よぉ、ちと用心深すぎじゃあねーか？」
「そうかもしんねーけど……なんか、Aにはそんくらいが丁度いいって気ィしねェ？」

食後のジュースを啜りながら言われたので、Aは苦笑いするしかなかった。

他2人がピンと来ていない顔をしているのは、東方家でのAの取り乱し様を知らないからだろう。

「この町にどのくらいスタンド使いが分からないから、気を付けるのはいいことだと思うよ。なにもずっとビクビクしてろってことじゃあなくって、気軽に相談してねって話で。億泰くんは同じクラスだし、僕達とはこうやってまたお昼食べたらいいしさ」
「ありがとう。…由花子さんが広瀬くんを好きになったの、分かる気がする」
「そッ！？その、彼女と僕をくっつけようとかっていう相談は…受けられないんだけど……」
「もちろん、分かってるよ」

◇◇◇

午後の授業の予習があるからと、Aは先に帰っていった。
億泰が仗助達と一緒に見送ったのは、彼がいつも予鈴ぎりぎりまで粘るからである。

「康一よぉ、お前はずりぃよ…！お前ばっかり女にモテて…！！」
「彼女のは社交辞令ってやつだよきっと！ていうかモテた結果どうなったか、億泰くんも知ってるだろ！」
「ああ。ちっとも羨ましくなかったぜ」
「ほらァ～。そんな悲観的にならなくても、高校生活は序盤も序盤じゃない。それに、今日は女の子と普通に話せてたじゃないか」
「そりゃあ俺の認識の変化っつーか。女の子を寄り道に誘うのと、スタンド使いのダチを昼飯に誘うのは牡蠣と柿ぐらい違うぜ」

違い。違いねぇ。

Aが出ていったドアを何の気もなしに眺めていた仗助は、そのワードで思い浮かぶことがあった。