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しかしやっと心臓が落ち着きそうだったのに、ちらりとこちらを振り返った仗助と目が合って、Aは慌てて視線を地面に落とした。
学年問わず、女の子に人気の男の子。
しかし黄色い声で囁かれる噂とは別に、Aは仗助を知っていた。
家がこんなにも近所なために、実は何度か通学路で仗助を見かけたことがあるのだ。最初は背が高い人だなとか、今時見ない髪型だなとかそんなことを思う程度だった。
よく怪我をしていると気付いたのはいつだったか。
同じような時期に、彼が入学初日に素行の悪い上級生を何人も伸したらしいとクラスの男子が話しているのを耳にしてしまい、それからは見かけたらなるべく距離を取るようになっていたのだ。
遠目にも分かるくらいの怪我をしているときには、思わず竦み上ってしまったくらいだ。
ところが昨日はレイヴィング・ナイトの能力でスタンドは見えていなかったとはいえ、3mと離れずに彼と向き合うことになった。
凛々しい眉が釣り上がり、普段は穏やかなはずの瞳は痛みを感じるほどに鋭かった。
Aが感じたのは、彼を素敵だと褒めそやす女の子達が感じるようなときめきではなく、息すら止められてしまいそうなプレッシャーだった。
視線で射られた場所から、じわじわと燃やされる感覚に襲われた。
おかげで、ぼんやりと抱いていた『怖い人』というイメージがびったりとくっついて離れなくなってしまっている。
「…ッ!?Aお前!!」
「手ぇ!!スタンドの手が出てんぞ!!」
急に跳ね上がったボリュームに顔を上げると、仗助と億泰が揃ってこちらを指差していた。
よくよく見てみたら、手だけ現れたAのスタンドが、首に爪を突き立てようとしているではないか。
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こうもり - あげなすびさん» コメントありがとうございます!更新頑張ります! (2022年9月14日 7時) (レス) id: 9309100d6a (このIDを非表示/違反報告)
あげなすび(プロフ) - 面白いですっ...!!これからも応援します! (2022年9月14日 0時) (レス) @page3 id: a4623d5dd3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こうもり | 作成日時:2022年9月3日 22時